「付加価値って何? ~どん底から這い上がったチカラ~」福山支部例会
■報告者:(有)広島ピーエス 宮原 和樹 氏(東広島)
■開催日:11月8日(水)
■会 場:ローズコム
同社は主に自動車部品工場向けの搬送用パレットを手掛けられておられます。また、HPのYouTubeから新商品の発表もされておられ、興味深いHPです。
氏は、2007年に戻って来られ、リーマンショックで仕事が激変し、地べたを這いずり回って仕事をかき集めて、寝る時間もほぼ無く、地獄のようだったと振り返っておられました。同時期に経営指針書を作成され、初めての指針書を社内で発表しても何も変わらない、人財採用のため、Jobwayで募集しても誰も来ないなど、なかなかうまくいかなかったそうですが、諦めず勉強され、今では2名、同友会に入会し、指針書も一緒に作られ、経営も一緒にされておられます。同じ考え方を持った仲間と一緒にした方が会社へ浸透しやすいという考え方が、確かにその通りだと気づかされました。
報告を拝聴させていただいて、気づきや共感が多かった例会だったように思います。付加価値、作業と仕事の違い、経営指針書とはなど、非常に分かりやすく、聞きやすかったように思います。また、力強さも感じ、話し方も自身を持って発表されておられたことが、印象的でした。
今回のテーマの付加価値ですが、仕事の内容、経営指針書、社長の人柄など、すべてが付加価値のように感じました。「行動すれば、伝わる」従業員を巻き込んで、仲間と一緒に経営をされておられ、素晴らしいと思いました。宮原社長、ありがとうございました。
記:(株)ヤスダ 安田 明雄
同友会での学びを糧に奇跡の再建を実現された宮原氏にお話しいただきました。その実践の数々を通し、あらためて同友会で得たことを行動に移す大切さを学びました。
かつては「会社にお金がない、良い製品が作れない、お客を選べる力がない」という、ないないだらけのどん底で悔し泣きもしていたという宮原さん。そんなお金も時間もない中でも同友会には出席を続けたと言います。例会で学んだこと、相談して教えてもらったことは即実行し続け、「再建できる可能性は1%」「この決算書で再建出来たら奇跡」と言われていた会社を立て直しました。
多くの気づきを得てご自身が「覚醒」後は役員も同友会に参加することで学びを共有。社内展開を加速させたそうです。製造会議にグループ討論の形式を取り入れ、課題や論点を整理し、行動に移すための結論を必ず出す。
意見が分かれたときは経営指針書に立ち返って相談・判断する。中でも「経営者しかできないこと」を抽出し、スピード感を持って対応することを重視。トップが実行した目に見える変化を示し続けることで、改善を加速し、人生を過ごす価値のある会社へと生まれ変わってきたそうです。
付加価値の生み出し方について話し合った討論では、人育てやシステム化など、経営者しかできない仕事へ注力する大切さに対する意見が相次いでいました。
今回の例会であらためて同友会での学びの奥深さ、そしてなにより得たことをスピード感を持って実践する大切さを痛感しました。誰でも学ぶことはできるし、アイディアを考えることはできる。しかしそれを経営に落とし込み、実行に移せるのは経営者のみ。躊躇することなく、踏みとどまる歩を前に進めるよう後押しをしてもらえたような支部例会でした。
記:社会保険労務士法人 藤井事務所 藤井 良章
結論として氏のビジョンと実践は、単なる企業経営の枠を超え、社員や顧客との関係をより深化させ、持続可能な成長を促進していると感じました。
何故そう感じたかと言うと、経営方針における従業員の参画です。従業員の声や困りごとを経営指針表に反映させ、共有することで、彼らが付加価値を生み出す一翼を担っている点が素晴らしいと感じました。またその上で、顧客視点、自社視点、そして自分視点のバランスを取りながら、常に適応力を磨くことが成功の鍵としてある点です。
氏の指導は、経営のみならず、社員教育や社内改革にも及んでいます。経費管理や作業効率の向上に焦点を当てる一方で、社内のコミュニケーションと共有意識の向上にも重点を置いている点も魅力的だと感じました。
またYouTubeを活用し、自社商品をアップすることで受注につなげるなど、現代のニーズに合ったアプローチを取り入れている点は、自社の取り組みの計画にあるので参考にさせていただきたいと思います。
記:治らない慢性痛専門院 井手之上 大介
「経営の基礎は同友会で学んできた」と報告者の㈲広島ピーエス 代表取締役 宮原和樹氏は、終始熱く語られました。私が惹かれた言葉は、「経営指針とは水戸黄門の印籠のようなもの。格さん助さんは事業計画だ」というお話です。
他には
①コロナ禍で人を切らなかったから収束した時にはたくさんの仕事を受けまくった
②奇跡を起こすとの決意を信じることが圧倒的行動力を生む
③役員にも同友会に参加してもらい一緒に学ぶことで経営指針を分かち合うスピードが違った。社内でもグループ長研修を持ち込みグループ討論を続けている。
④同友会に入ってよかったことは経営相談がいつでもできる。
など、気づき多い会となりました。
記:ラウンジ ファンタジー 粟村 文恵
今でこそ表情豊かにお話ししていただきましたが、報告を聞くと、26 歳で後継の立場で入社したが、数々の壁にぶち当たり、その都度涙も流していたという順風満帆の人生とは違ったものでした。
そんな中でも入会していた同友会、そして同友会の仲間にも協力してもらい今があるという話でした。自社の状況も悪くなくただただ参加しているという状況ではなく、悩みや相談を自己開示し同友会に取り組んでいたからこそ、周りからの関わりや協力があったのだと感じました。
現在も同友会を通して学んだグループ討論を自社にも取り入れ、さらには自社の社員も同友会に入会し考え方も共有出来る環境を作っているとのことで、報告の途中で出てきた社内でのポストイットを使った分析などは、しっかり社員一人一人が考えているなと感心するぐらいのレベルでした。
今回付加価値というテーマでしたが、確かに商品へも付加価値はもちろん必要ですが、現在はただ提供するものだけに付加価値があればいいわけではなく、社会に対しての存在意義・今ここにいる仲間を大切にできる環境・人生を通して価値ある会社になるなど、世の中の人材不足なども考えると、自社への付加価値があればあるほど、社員のモチベーションも上がり、離職も減り、新しい人材も確保しやすくなるのではと感じました。
ただ最後に声を大にして言われてたのが『行動すること!!』
やはり一番大切なことはここだなと。行動をおこしていたからこそ、周りはしっかりそこを見てくれて協力的になってくれたと感じました。
記:サークルベース 住吉 謙一朗