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2023.09.01

広島中支部8月度オープン例会「時代に求められる変化をどう実現するか~危機をチャンスに、変わり続ける経営〜」

“トップ・ダウン” の指示ではなく、 “ボトム・アップ”の判断も大切だということ。社員に “失敗” をさせて “改善” する、いかに社員にやる気(本気)をいう手順も斬新であり、社員の定着化推進、資格取得の推奨など“ヒト”への投資が重要であると岡崎氏は説く。

■報告者 株式会社オーザック 取締役会長 岡崎 隆 氏
 (福山支部・広島同友会相談役)

■テーマ 時代に求められる変化をどう実現するか~危機をチャンスに、変わり続ける経営〜
■日時  2023年8月10日(木) 18:00〜20:30
■場所  TKPガーデンシティ広島 ダイヤモンドホール

■参加者数 91名(中1:7名、中2:14名、中34:15名、中9:30名、他:5名、オブザーバー18名) 

「はい、オーザックです」 との電話対応で始まる、会社のプロモーションビデオの上映後にご登壇。社員の方々の活き活きしたとした映像から、岡崎氏の報告に期待が集まる。
(有)岡崎製作所から1991年に(株)社オーザックに社名変更した経緯は、当時日本経済はバブル景気の最中であった。人材雇用に苦労しており一度聞いたら忘れない社名をもとに、会社のスローガンを含めたオーザックに変更した。事業として日本の橋梁金具全国シェアの1/3を占め事業は好調であった。バブル期の好況に土地・工場・機械など設備投資を進めたが、1995年にバブル崩壊、そこに残ったのが多額の設備投資にかかわる債務、金利だけで、8年近く年間3,000万円(9.4万円/日)近く支払うことに…。それをリカバリーするために、異業種展開を行ったこともあったが成果が出なった。

ある時、社員からは “会社の将来が見えない” と言われショックを受けた。『経営指針書/経営計画書』を作成・発表し、配布していたが実際には社員には伝わっていなかったことを痛感した。“社員との一体感がない”ことに悩み、業績upのためにセミナーに参加した。そこでは 「今の状況では3年もたない」と言われ年間1,000万円の販売管理費の削減を推し進めた。さらに、会社を変えるために、数年かけてさらに具体的に数値や組織表を記載した『中期事業発展計画書』 で“5年先の会社の姿を見える化” を行ったところ翌年から少しずつ会社の変化が感じられた。

独立を希望する社員に対し仕事をあたえたところ、自社にいた時よりも生産性が上がっており “潜在能力の高さ” に気づいた。自社社員は “自分の会社” と思っていないのでないか、“自分の会社”と思ったらもっとよく働くのではないか。製造業でいち早く「完全週休2日制」を試行した。それらを継続するためには生産性を8.5%以上向上させることが条件であり、試行終了間近で社員から12%の提案があり、翌年は達成した。そこでも 岡崎氏が実感したのが、“トップ・ダウン” の指示ではなく、 “ボトム・アップ”の判断も大切なことだ。社員に “失敗” をさせて “改善” する、いかに社員にやる気(本気)をいう手順も斬新であった。 

それからは、社員の定着化推進、資格取得の推奨など“ヒト”への投資を行った。 販売戦略を立案させ、売上高だけでなく収益性のアップ、自社ブランドの在庫品の見える化、自社製品見積は30分以内回答など競合他社の差別化を進めた。 “納期と品質は良くて当たり前である”とQCの意識も高めた。 

岡崎氏は社員には「会社はより良い生活をする為の道具。活用するのも壊すのも皆さん次第」だと伝えている。「自分の会社と思える会社」を実現するために 顧客満足度も大事ではあるが社員満足度に注視しているとのこと。

グループ討論では、“どのように会社を変化させてゆくか” について行った。

自分の会社と思える会社 、“失敗”させる勇気、“経営理念”の浸透など 経営課題について活発に話し合える機会になった。 今回は18名の外部オブザーバーも含め100名近い参加で盛況な例会になった。

 

 

記:ITplus 川口正