G7広島サミットに備えた事業計画を! 広島県商工労働局による「イベント開催型BCPセミナー」を開催
講師:ミネルヴァヴェリタス(株) 代表取締役 松井 裕一朗 氏
広島サミットは5月19日(金)から21日(日)の3日間、開催されます。通常の金土日の自社の事業を思い浮かべながら、具体的にどのような影響があるか考えていきます。
発表されている交通規制
広島県警は、各国首脳の移動に伴い、大幅な交通規制を行うと発表しています。そのために、交通量50%削減のお願いが出されており、県庁職員は出勤を50%以下に、マツダは工場の操業停止をすでに発表しています。
現時点で県警から発表されている交通規制については次の通りです。
・期間は5月18日(木)から22日(月)までの5日間、各国首脳が異動する時間帯に大規模な交通規制を実施
・高速道路は、本郷ICから玖珂IC、広島西風新都ICから広島JC、広島高速1号2号3号、海田大橋、広島呉道路は通行止め規制を行う(移動が連続すれば長時間になる可能性あり)
・市内中心部は移動に際し随時交通規制を行う。サミット会場となる元宇品広島プリンスホテルとメディアセンターとなる県立体育館の間、各国首脳が宿泊するホテル周辺は、特に著しい交通渋滞が予想される。
・山陽道、国道2号線が大きく規制されることで、その迂回路となる周辺道路、中国自動車道も大渋滞が発生する恐れがあり、関西から九州の交通について大きな影響が予測される。
交通規制に加え、会場やホテル周辺では、テロ防止のため検問が実施され、渋滞や遅延が予想されます。この検問は全車を対象にし、冷蔵や冷凍トラックでもその内容を確認することになり、品質保持を考えると、現実的には通常時間帯での配送が難しくなることも予想されます。
具体的に自社にどんな影響があるか
①人流に対する影響は?
マイカー50%削減で社員は定刻に出社・退社できるか?お客様は来店可能か?工事やメンテナンス、サービスなど出向いて行う業務はできるか?路線バスや路面電車も規制の対象となり減便、運休も考えられます。伊勢志摩サミットでは、鉄道の一部は一般市民の乗車はできなくなりました。大阪G20は、交通が大混乱し、運行を予定していた路線バスの多くが急きょ運休となりました。
②物流に関する影響は?
期間中、仕入れは可能か?出荷・納品ができるか?いつもどおり運送会社が集配を行えるか?ましてや時間指定の集配は可能か?
③揺り戻しや反動の対策も
例えば出荷をサミット期間の前後に振り分けるとすれば、通常より人員や時間の増やす対応が必要になります。例えば、ゴミの収集がこの期間止まれば、サミット後に大量のゴミが出されるそんな予測を立て、業務計画を練る必要があります。この期間、売上が下がるのであれば、資金繰りについても考える必要があるかもしれません。
ピンチをチャンスに
広島サミットに危機感を持っている企業はまだ少ないとすれば、取引先と状況を共有し、影響が最小限にとどまるように連携を取る必要があります。県内はまだしも、他県になるとサミットへの意識は皆無でしょう。早く予測される影響を共有し、お互いに対策を立てる必要があります。
サミットは開催され、少なからず影響があることは間違いありません。何も対策をせずお客様に迷惑をかけ、信用を失うのか、事前に対策を立て影響を最小限にくい止めることで信頼性を高めるのか、対応によっては真逆になります。サミットをお客様の信頼を高めるチャンスととらえ、対応していきましょう。それがBCP(事業継続計画)です。
(記:専務理事 源田)