「もう待ったなし!~中小企業もDXの時代へ」福山支部S地区会
報告者:㈱マザーアンドチルドレン 安田 剛 氏
S地区11月例会では、㈱マザーアンドチルドレン 代表取締役の安田剛氏に、中小企業における課題をDXによって改善していく方法について、具体例を挙げながら発表していただきました。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、簡単にいえば「デジタル技術の活用によって、企業や行政が事業や組織のあり方を変革し、人々の生活をより良い方向に導くこと」です。DXはなぜ必要なのでしょうか。まず、デジタルツールの導入により、業務を効率化することが可能です。事務作業を自動化することによって、人手不足の解消につながります。また、最近は企業でテレワークが導入され、新しい働き方やライフスタイルも選択することができるようになります。
長野県諏訪郡に位置する創業70年目のとある 「まちの豆腐屋」さんは、創業当時からずっと紙を中心とした非効率的な働き方をしていました。受注を受けて電卓で集計、荷造表・製造計画を会計ソフトへ手入力して、レジの現金売上を集計していたのですが、時間もかかるし、経営状況がなかなか見えない。
しかし、DXを取り入れることによって、今まで事務作業にかかっていた時間が年間で600時間も短縮されたのです。
キントーンという業務アプリの作成・管理が可能なクラウドサービスを利用して、製造計画・出荷計画・請求が簡単にできるようになました。また、それを会計ソフトに連動させ、POSレジや経費等の情報も財務データとして一括で管理し、会社の数字を可視化できるようになりました。
DXを取り入れることによって、何年もやりたいと思っていた営業と商品開発の時間がとれて、新規受注も増えたそうです。
DXは目的ではなく、手段なのです。作業をデジタル化することによって、時間ができて、やりたいことができるようになる。変化が激しい時代の中で企業が生き残っていくには、重要な取り組みであるといえるでしょう。