「全社一丸の会社をつくろう ~労使見解に学び、人を生かす経営をめざそう~」2021 役員オリエンテーション 第4講
報告者 水ノ上 貴史 氏(福山支部長) ㈲広島金具製作所 代表取締役
■「サボらない! 甘えない! 言い訳をしない!」
私が後継者として自社に入社した時、会社は自己流で経営をしていました。当時、社長は財務と営業、現場には高齢の技術者、そして仕事を引き継げる若い世代は自分だけ、という状況でした。「このままでは会社が潰れてしまう」と冷や汗が出るような想いで会社の未来を想像していました。何とかしなければと考えていましたが、何をすれば良いかも分からず、途方に暮れていました。
そんな時、あるきっかけで同友会の立石さんと出会い「経営の勉強をするなら良い会がある」と同友会を勧めて頂きました。
そうして藁にもすがる思いで2011年に同友会に入会しました。会社を守るため、忙しいを言い訳にせず「サボらない!甘えない!言い訳をしない!」を目標に同友会活動に参加する事を誓いました。
■地区会長から同友会の学びの実践へ
最初は何も分からなかったので、「頼まれ事は試され事!」と、何でも行動を起こすことから始めました。しかし、ただ行動を起こすだけでなく、振り返り、そして次にどう繋げるか、というプロセスを踏まえることを怠りませんでした。
振り返ってみると、行動、振り返り、そして改善という「DCAPサイクル」を知らずのうちに習得し実践していました。
同友会に入ってからは、グループ長、地区会長と様々な役を頼まれましたが、一度も断ったことはありません。何故なら、組織のトップを務める経験は、自社で社員を率いる時にも必ず活かされるからです。
また、地区役員会に所属していた時、委員会にも出席してほしいとの要望がありました。どうせなら経営理念づくりや経営指針書づくりを学べるところが良いと考え経営労働委員会に入りました。
経営労働委員会では、毎年経営指針書づくりを行うので、自社の経営指針を作成できることはもちろん、しっかりと自社を見直す機会を設けることが出来ました。
さらに、地区会や委員会で同友会理念を学び、それを自社にて実践する「両輪の経営」に全力で取り組むことは、一人の経営者としての自己成長にも繋がりました。
■大切にしている言葉
同友会で学んできたことだけでなく、自らが経営において大事にしている言葉を紹介します。
【一生勉強】生涯の時間は決まっており、その限られた時間の中で徳を積めるように勉強すること。
【忘己利他】相手の事を第一に考え、人の歓びが自分の歓びとすること
【年輪経営】企業の永続的な成長が人を幸せにすることから、毎年根を張って広げられるような経営をすること。
【ブルーフレーム】ブルーフレームとは、火がバランスよく完全燃焼している状態。高い温度で燃焼し、周りにも熱を与える状態であること。
私は、同友会で学んだ事を自分の言葉でさらに昇華させ、経営に取り組んでいます。
■同友会役員として思うこと
同友会役員を務めたことによって、私と会社は大きく変化出来たと実感しています。
変化して一番嬉しかったことは、周りからの声が会社に届くようになったことです。会社についての記事が一つ掲載されただけでも、社員はとても喜んでくれています。
同友会での活動を通して分かったことは、変化し成長するには、出来ない理由を見つけるのではなく、まずは行動を起こさなければいけないということです。
皆さんも長を務め、熱い想いを共有してみませんか?
そして多くの人に火をつけ、中小企業全体を活性化していってほしいです。