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2021.12.02

「同友会運動と企業経営は不離一体 ~同友会での学び方・生かし方~」2021 役員オリエンテーション 第5講

報告者:村井 由香 氏(広島中支部長) ㈱キャピタルコーポレーション 代表取締役

■専業主婦から社長に

 かつて私は社長としての自覚がありませんでした。14年前、先代の父親から「社長を継げ」と言われたので仕方なく社長を務めており、いわば腰掛けのつもりでした。
 「父の言う事を素直に聞いて従っておけば経営は大丈夫だろう」と気楽に考えていましたが、待ち構えていた現実は甘くありませんでした。  

■降りかかる幾重の困難

 2008年、先代の父が急逝し、突如、経営の全責任を負うことになりました。先代が生きている間は気付きませんでしたが、会社は年商を超える借入金を抱えていました。さらに追い打ちをかけるように、本社と店舗が火災により焼失しました。その時私は、父親が残したお店が焼ける姿をただ呆然と見る事しか出来ませんでした。その後、警察から事情聴取を受け、お店に戻ってきた時、従業員達が泣きそうな顔で私の顔を見つめていました。この時、私は会社の経営者として覚悟を決めなければいけないと思い、社員たちと円陣を組み、「もう一度袋町でお店を出したい」と想いを語りました。
 これまで経営者としての自覚がなかった私からの言葉では響かないと思いましたが、従業員達は「是非やりましょう」と言ってくれました。思い返せば、この時初めて私は社員に会社の未来を語ったのだと思います。  

■同友会に入会、経営者として学び始める

 様々な困難を経験し、経営者として会社を守らなければいけないと考えるようになったことから同友会に入会しました。同友会には私の理想とする先輩経営者がたくさんいて多くのことを学ばせて頂きました。
 同友会では大きくわけて3つの事を学んできたと思います。
①お客様をどうやってつくるか、
②自社の業務プロセス・生産性をいかに上げるか、
③社員をどう育てていくか、
の3つです。毎月の例会で発表される実践例を自社流にアレンジしたり、実際に同友会会員の工場を見学させてもらい、生産性の向上手段などを学ばせて頂きました。また、同会会は例会だけでなく、それぞれの経営者の意志決定を学ぶ事ができる貴重な場でもあると思います。  

■同友会の学びを実践してコロナに立ち向かう

 これまでは同友会での学びを実践してきましたが、コロナ禍の影響により私達が大切にしてきた経営方針の根底が覆されました。店舗内で提供できる付加価値は一切通用しなくなり、売上も大幅に落ち込みました。「本当に必要なんですか?貴方の仕事」と世間から問われているようにさえ思えました。
 しかし、そうした状況の中でも経営者は会社を維持・発展させる必要があります。まずは、コロナ禍で生き残るための七か条を発表しました。全員で営業をすること、給料を出し続ける事など、これからのヴィジョンを従業員に提示しました。また、ウーバーイーツにも挑戦し、上位売上店舗5%に入ることも出来ました。
 さらに、会員さんの協力により卓上焼き鳥器を売り出すこともできるようになり、お家で気軽に焼き鳥を楽しんでもらえるようになりました。同友会の繋がりを通して、他社と連携し、協業することが自社を支えてくれる事を知りました。
 ぜひみなさんも同友会の全国行事に参加して、熱い経営を語ってみてください。自社で実践して良かったことを報告することは、自社の活動を振り返る良いきっかけにもなります。これからのみなさんと熱い経営のお話が出来る事を楽しみにしています。