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2021.10.30

「キラリと輝く地域企業を目指して ~中小企業の存在意義と中小企業憲章~」島安佐支部 9月仲間づくり例会

報告者  瀬島 髙志 氏 広島同友会副代表理事・呉支部 合同呉運送㈱ 代表取締役

■中小企業憲章について

 中小企業憲章制定のきっかけは、2000年にEUで小企業憲章というものが制定されたことでした。当時のEUは小規模企業を経済成長の中心と位置付けていたのに対し、日本は明治維新以降、大企業を優遇する政策を採っていました。
 しかし、近年この政策によって様々な問題が生じており、日本もEUと同様、中小企業にスポットライトを当てた政策を始めようという声が高まってきました。
 そしてそうした動きの中、2010年に中小企業憲章が当時の民主党政権によって閣議決定されました。  

■どの様な思いで経営をしてきたか

 私は自らが掲げる経営理念に一歩でも近づくことが、地域貢献に繋がると考えています。さらには、
①社員の子どもたちが、理解し賛同してくれる会社
②地域の子どもたちから、あの色のトラックはいいね と言われる会社になってほしいと願っています。
 私はこの理念を実現するために、社員と直接コミュニケーションをとることを大事にしています。何のために働いているか、いつまで働けるのか、顔を見合わせ、腹を割って話さないと本音を知ることはできません。このような面談を重ねる中で、私は彼らの「三つの願い」がわかるようになりました。社員は、
①自身の可能性を発揮して、認めてもらいたい。
②せっかくの人生、病気・怪我なく全うしたい。
③家族・仲間と仲良くすごしたい、その為に暮らしを守りたい。
以上の三つを彼らは叶えたいと願っています。私はせめて社員の三つの願いが叶えられるような会社づくりを行いたいと日々考えています。  

■子孫の代に残したい呉市の姿

 呉市は、かつて海軍のまちとして栄えていました。しかし、近年では労働生産人口の減少や大企業の工場の撤退など、呉の中小企業を取り巻く環境は厳しい状況であります。
 しかしながら、令和元年7月20日、中小企業の振興を目的として呉市中小企業・小規模企業振興基本条例が正式に制定されました。この条例は、同友会呉支部が長期にわたり、中小企業の存在意義を広く呉市民に知らせる必要性があると行政に訴えつづけた結果です。私たちの努力が行政の人々の心を掴み、実を結んだのです。
 私には育った呉市で条例の下で実現させたいことがあります。それは、
①市内企業の悉皆調査を行い、データベースを作り、政策に反映させる。
②子どもたちに地元の企業や商店を知ってもらう。小学高学年・中高校生に職場体験の実施、大学生のインターンシップの推進
③市民の理解 特にお母さんに地元の企業・商店・1次産業の現場を見て頂きたい。
④エネルギーシフト 地域資源で再生可能エネルギーを生み出すことで、自給率を高め新しい雇用をつくる
⑤生活基盤・環境保全・防災重視の「地域密着型公共事業」を推進して地元企業の仕事をつくる。
⑥地元企業=地域のインフラと捉え、BCP作成の推進と助成で、呉市全体で防災を考えて行く。
⑦市民の皆さんが、「10年後の呉市を考える」学習会の開催
⑧真っ当に努力する人が、それなりに評価され、まわりから認められる世の中に!
 中小企業が地域の企業と協力したまちづくりを行えば、現在の状況は大きく改善し、呉にも大きく貢献できると考えています。
 また、同友会全体でも条例を鑑み、自社は何をすればよいのか、何が必要なのか、という事を皆が意識し、取り組むことで大きく地域は変化していくと思います。
 終わりにあたりまして一言、私は地域で本当にあてにされる会社をつくりたいですし、人間的にも真っ当に生きることが出来る経営者を目指していきたいです。