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2021.07.27

「想いを花に」広島エリア女性部会6月例会『 幸せと感動の架け橋となる経営指針書作成までの道のり』

報告者  原 さゆり 氏 (㈲フラワーショップはなよし 取締役副社長)

■花屋に指針書がいるの?

 私は花屋を経営しており、「花屋に指針書は必要なの?」と当初は疑問を抱いていました。ですから最初は、ただ興味本位で経営指針塾に参加していました。母からも「花屋なのにどうして経営指針が必要なんだ」と言われており、説明することも出来ませんでした。ただ当時の私たちはある問題を抱えており、「このままではいけない」という危機感を覚えていました。  

■指針塾は魔法の杖?

 当時、はなよしが抱えていた問題とは、計画性はあるが、行動に移すのが遅い社長と、行動は早いが計画性のない私との間で、店の方針を巡って衝突を繰り返していたことでした。
 その事で悩んでいた際、指針塾に参加していた先輩が「指針塾は魔法の杖だ」と仰っているのを聞きました。「このままでは、うちはだめかもしれない」と考えていた私は、「私も魔法の杖が欲しい」という気持ちで改めて指針塾に挑むことを決めました。
 しかし、貰ったテキストは新品の綺麗なまま、講座を受けてもさっぱりわからない、グループ討論では、わからない事をわからないと言えない状態でした。
 段々と参加することも億劫になり、何の為に勉強しているかも分からない中途半端な状態に陥っていました。しかしある出来事によって、その意識は大きく変化しました。  

■意識の変化~何のために~    

 意識が大きく変化したきっかけは、先代との別れです。半年前に見つかった癌は、既に全身に転移している状態でした。先代は、事業承継してからは、仕事を退いている状態でしたが、それでもお店の事を一番に心配していました。コロナ禍ということもあり、身内だけで葬儀を執り行いました。葬儀屋さんは、お世話になっている葬儀屋ということもあり、火葬場に行くまでに店の前を通ってほしいとお願いをしたら、快く引き受けてくれました。  
 すると、車が店の前を通った時、社員のみんなが大きく手を振って待っててくれていました。先代を見送るために、ボロボロ泣きながら、必死に涙をこらえ、笑顔で見送ろうとしているその姿を見て、社員の気持ちが痛いほどわかりました。  
 その時に、先代が大事にしていたのはお店だけではなかったことを知りました。私には残されたもの、守らなければならないものがあるとその時に強く実感し、社員を守るためにも経営指針を確立しなければと覚悟を決めました。  

■指針書の必要性    

 最初に先輩の経営指針書を見せてもらったときにあまりにも分厚くて、私には到底できないと思いました。
 しかし、経営指針塾に通って、助言を頂きながら項目を埋めていくことで、「想いを花に幸せと感動の架け橋となる」という理念のもと、一つの経営指針書を完成させることができました。
 指針塾の丸山先生からは、経営指針の中でも「経営指針書 発表にあたって」という部分が経営指針の全容を表す肝の部分であること、社員が具体的にどのような行動を起こせばよいか明記すること、本店・支店を管理するためにデジタル化を推進する項目を記入すること、など様々な助言を頂きました。
 作成して改めて、業界や業種に関係なく経営指針書を作成できることがわかりました。
 経営指針とは、あるべき姿や方向性を明確にし、社員とのビジョン共有、そして私たちが、どのような方向に向かって進むべきか導いてくれる魔法の杖であると思います。