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2021.06.24

第49回定時総会 記念講演「Human First! ~『人』が真ん中の経営をめざして~」

講師  広浜泰久 氏(㈱ヒロハマ 代表取締役会長) (中小企業家同友会全国協議会 会長)

■同友会で大切にしてきたこと  

 先ず、同友会で会の役を頼まれた場合は、絶対引き受けることをおススメいたします。役に就くと、学びと気づきの量が圧倒的に増えます。同友会の理念を学ぶだけでなく、同友会を運営すること自体にも学ぶ点がたくさんあります。
 私が役に就いて学んだのは、「屈託なくやること」の大切さであります。当然、役職に就いていますと、周りからのいろんな批判を受けることもあります。そこで腹が立って役を辞めてしまうのは、本当に勿体ないです。  同友会で学んだ事は必ず実践しましょう。その為にはメモを取り、重要な点はマークします。そして、自分のスケジュールに落とし込むことが大切です。  

■人を生かす経営の実践で全社一丸の企業づくりを!

 社会的に意義のある会社になるにはどうすればよいか。その問いの答えはまさに、経営指針に基づく経営を行うということです。ここで私が考える、経営指針に基づく経営がうまくいくポイントを、ご紹介したいと思います。
 

一、ちゃんとした会社になる

 大前提として、ちゃんとした会社になっていないといけません。たとえ、経営指針を作成したとしても、会社の実態が、経営指針とかけ離れているようであれば社員はついてきてくれません。  

二、全ての課題を抽出する

 次に、経営指針には綺麗ごとだけが書かれていて、触れられたくない問題には言及していないということが往々にしてあります。経営指針を作成するには、綺麗ごとだけに目を向けるのではなく、出来る限り全ての直面している課題を抽出し、正しい実態を把握し、明文化することが何よりも重要です。

三、全社員PDCA

 第三に、経営を成功させるには、一人一人がPDCAをまわせることを最終目標としなければいけません。PDCAを具体化・細分化し、個人レベルにまで課題を抽出する必要があります。
 なぜこの工程が必要なのか。それは、従業員一人一人が取り組んでいる業務に、役割認識・使命感を持たせることが可能になるからです。
 細分化されたPDCAというのは、経営理念を基に設定されています。そのため、従業員は日々会社の理念の実現に向かって働いている、という実感を覚えることが出来るのです。  

四、毎月、数字と課題の振り返りを行う

 第四に、月次決算は必ず一週間以内に出し、振り返りを行います。では、何のために数字を振り返るのか。それは、振り返って、翌月なにをするべきかを決めて実践するためです。
 翌月二〇日頃にできあがったのでは、何ができて何ができていなかったか、振り返って実践する時間もありません。
 また、「人時生産性(一人が一時間あたりに稼ぐ付加価値)」を掴むことも重要です。「最低でも社員の年収を四〇〇万円にしたい」とすると、いくら稼ぐ必要があるでしょうか。付加価値を仮に時間二千円とすると、年間二千時間働いて四〇〇万円です。これでは、会社存続ができません。
 理念だけ唱えても、人事生産性を上げていく努力をしなければ、社員にそれなりの給料を払いたいと思っても、いつまでたっても夢物語のままです。
 数字をこまめに振り返り、会社の全容を把握することで、社員にも満足してもらい、会社も将来への準備を整える利益を残すことができます。
 経営指針に基づく経営を全社一丸で取組むことで、同友会の提唱する、科学性・社会性・人間性は着実にレベルアップします。