「社員との信頼関係から魅力ある企業づくりに」福山支部S地区会12月例会
報告者:ユウケン(株) 谷野裕次郎 氏
「社員から相談されていますか?」
そう聞かれてドキっとした人はたくさんいると思います。社員からの相談というと、結構な確率で退職したいという話が多いようです。相談される方もそう思っているから、そうなってしまうんだなと思います。その時点で選択肢は1つしかなく、色々と悩んでいた事をそこですべて聞く事になり、もう手遅れ。
「どうしてもっと早く相談してくれなかったんだろう?」
それは、すべて経営者の責任です。今回はその不安を払拭すべく、ユウケン(有)の谷野氏に報告をお願いしました。
谷野氏が実践されている事は大きく分けてこの2つ。
①社員と目線を合わせる
社員と目線を合わせるというのは色んな意味がありますが、社員からの相談に対して、ちゃんと終わりまで話を聞くという事だと思います。
どうしても都合が悪くなると経営者は武勇伝を話してしまい、相談を受けているにも関わらず丸め込んでしまいます。
社員が話している時、ちゃんと目をみて話を聞く事、そして否定をしない事。明確な返答ができなくても、話を聞いてくれるだけで社員は安心します。
②いろんな「役」をする
谷野氏は同友会以外で、PTA会長やフットボールの監督まで長年に渡って務められていました。なぜ、そういう「役」をされるのか?
PTA会長に関しては、家で親の帰りを待っている子供の気持ちを最優先し、決めるべき事をさっさと決めて短時間で終わらすことを徹底していました。
フットボールの監督に関しては、優勝という目標に向かってみんなのベクトルを合わせるために、目線を合わせて行動されていました。
どの「役」も自社の経営に役に立っているし、何より社員との距離が近すぎるほど近いので、何でも聞く事ができるし、社員から自然と声が掛かる。それに対して本気で向き合う。
このような事をされている谷野氏に対して、社員からの不満はないように思えます。思ったら思った通りに伝える事ができる人がそこにいる。それに対してちゃんと最後まで聞いて本気で答える。
1日や2日でできることじゃないです。辛抱強く、諦めずに社員1人1人と向き合う事。その真剣さが伝わる事で本当の信頼関係がうまれると思います。
谷野さん、ありがとうございました。