活動レポート
  • ホーム
  • >活動
  • >経営指針の有無による差異が顕著に ~環境経営アンケート2019~
2019.12.25

経営指針の有無による差異が顕著に ~環境経営アンケート2019~

 9月2日から9月30日まで行った、環境経営アンケートでは、350名の方にご回答をいただきました(前年対比13%増)。ありがとうございます。以下、回答内容の特徴についてご報告します。    

■「経費削減」から「イメージ向上」へ

 2018年度アンケートと比較して、大きな変化があったのが、環境経営に取り組む動機への問いです。前年の55%から、33%へと22ポイント下がりました。これは全業種で同様の傾向です。代わって「企業イメージの向上」が24%から34%へと10ポイント上昇しました。前年と今年の両方に回答された方の比較でも同様の傾向です。
 業種別にみると、建設業やサービス業ではイメージ向上に、製造業では売上向上・全社一丸体制の構築、情報・流通業では新しい仕事への取組みに関心が移りつつあるようです。
 このことから、環境経営への取り組み目線が、一歩進んでいると思われます。    

■経営指針の成文化が取り組みと効果に大きな差を生む

 もう一つの顕著な差は、経営指針の成文化状況によります。
 設問1(県境経営への考え)では、具体的な方法について、指針がある方は回答率が低く、ない方は高くなっています。つまり、取り組みの具体化が指針によって行われているという事を示します。また、効果についても、同様です。
 設問2(環境経営への関心)では、指針がある企業では「全社一丸体制の構築」「会社のレベルアップ」などへの回答が比較的高率になっています。逆に指針がない、検討中の企業では、全体的に回答率が低くなっています。
 設問3のサスティナブル(地球環境の持続可能性、人間社会の文明・経済システムの持続可能性)の視点での事業の見直しは、指針がある方がはっきり意識していることが表れています。
 このほかにも、全体的に指針のある企業は、取り組み項目が多く、ない企業は取り組みが遅れているように見られます。
 また、SGDsに関しても、指針のある企業は自社事業とSDGsとの関係をつかみやすかったり、「パートナーシップで目標を達成」などの項目の回答率が、ない企業に比して大きく上回る結果になっています。
 企業規模が大きいほど、経営指針の成文化率も高くなり、結果、取り組みと効果にも大きな差異が見られます。

■効果を実感する企業が取り組む社内勉強会

 逆に、「すでに効果が出ている」と回答している企業は、そうでない企業とどこが違うのでしょうか。
 一つは、経営指針に関する課題です。経営理念や経営方針で地球環境問題に触れている企業が四割を超えています。その大半が環境対策についての企業勉強会やサークル活動を行っています。
 こうした姿勢は、物品の購入や、日常の節エネルギーの日常活動につながっているようです。取り組み項目は、全体平均の1.6倍に達しています。
 今年の天災の多発や、世界的な潮流からも、地球環境問題は待ったなしの状況です。まずは、次年度の経営方針の中に、環境問題への取り組みの一項目を入れることから、始めませんか?