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2019.08.24

「経営者の覚悟から始まった本当の『働き方改革』〜『社員の幸せ』が企業を強くし、発展させる〜」福山支部7月例会

報告者:㈱オーザック 代表取締役 岡崎 隆 氏

 去る7月10日、ローズコムにて福山支部例会を開催しました。会員・オブザーバーなど合わせて106名が参加しました。
 報告者は㈱オーザック代表取締役の岡崎隆氏。岡崎氏は、「働き方改革」が広がるずっと前から誰もが働きやすい企業づくりに取り組んできました。完全週休2日制の導入や残業時間の短縮、男性社員の育児支援などを取り入れた結果、社員の定着率は95%にまで上昇。第1回働き方改革実践企業に認定されました。
 しかし、㈱オーザックも最初から順風満帆だった訳ではありません。バブル崩壊、年商を超える借入金、会社を去っていく社員。波乱万丈な時代を乗り越えてきた㈱オーザックの道程を報告いただきました。
 支部例会当日に回答しきれなかった質問について、岡崎社長より回答をいただきましたので、以下に掲載します。

自分の「幸せ」とは、何ですか?
 社員とその家族が活き活きと人生を楽しむ事。社員一人ひとりが、「自分の会社」と思って働いている姿を毎日観れる事。
営業職の労働時間の管理は、どの様にしてますか?
 見込み手当ではなく、当日残業届にて管理処理してます。
キャリアカウンセラーとは?
 社員の悩み相談を引き受けます。弊社専務が、資格取得してます。
報奨金、決算賞与は、どの様に決めるのか?
 報奨金は役員会。決算賞与は人事考課制度で各上司に依り査定を実施。
「生産性を8.5%上げる」数字の導き方は?
 生産管理システム内の当社工場の加工高の集計で管理してます。
「社員が喜んでいる」と言うことをどの様に確認してますか?
 定着率の向上。最近の5年間で95%の定着率です。社員数は増える一方です。社員の顔色、社員間情報、朝礼スピーチ内容等。
「言われたからやる」から「主体的に考えて行動する」様に変わったきっかけは?
 「中期事業発展計画書」の発表→オーザックの将来を観える化→社員の安心感→やる気が芽生える→骨を埋める事に悔いは無い→とことん頑張る→社員が一人の経営者になる。

「働き方改革」を進める上で、一番大変で難しい事は、なんですか?
 会社に関わる全ての方々の「ウイン、ウイン」を考えながら進める事。誰かに貧乏くじを引かせない事です。
付加価値を付ける為の戦術は?
「オーザックの製品を買いたい顧客の追求」
①納品前に品質書類の提出(メールで)。
②納期は契約日より1日早く納品。
③在庫表をメールで週2回配信。
④電話は、3鈴以上待たせない。
⑤電話を受けた者は、必ず自分の名前を名乗る。
⑥見積もり時間は、在庫品は、30分以内。オーダーメイド品は、24時間以内の回答。お客様にストレスを与えない販売戦略の実施。
利益率が落ちても今の処遇が維持できますか?
 顧客満足度の維持及び向上に向けてオールオーザックで対応中です。毎年新規顧客獲得数は、20社以上確保してます。一社当たりの売上比率は、最大15%以下、新製品開発の継続(侍シリーズ等)。売上は、年5%程度の増加を見込み経営計画を策定してます。利益率を落とさない努力を最重要課題として取り組んでます。
 以上の様な事から毎年増収増益を目指してますが、一時的なダウンでは、処遇の変化は有りません。PDCAを回して更なる進化を目指します。
忙しい時に支部長を引き受けたのは、何故ですか?
 自分自身と会社の成長の為、新たなステージを経験したかった。当時は何かに挑戦してないと怖かったです。
残業したい人としたくない人の両方に対処する方法は有りますか?
 社員さんにより希望の就業状態が違う為、明確な事は言えませんが、皆さんで話し合い各自の希望と社内での協力体制の構築などに依り、新しい仕事のやり方や、業務改善(多能工化)を促進する事で、残業の削減に繋げたいですね。そして改善して生産性を上げた分をどの様に評価して還元するかが無いと継続出来ませんよ。簡単ではないですが、会社に関わる全ての人が「ウインウイン」で有ることが前提です。
キッズルームについて
 是非見学に来て下さい。「百聞は一見に如かず」ですよ!「キッズルーム」と「打ち合わせコーナー」を兼務出来る様に改造しました。保育士さんは、社外の保育士資格を持たれてる方にお願いしてます。

「働き方改革」の取り組みの中で、どの取り組みが一番効果的だったと感じてますか?
 「ズバリこれだ」は、難しいですね!有給休暇取得を取りやすくするので有れば、一人ひとりのスキルアップが必要です。当社では、「多能工化」で解消しましたが、仕事の内容で変わると思います。又、社員さんの「理想の働き方」を個人面談等で話し合う事も重要です。会社に依りどう実践するかは、社員さんを巻き込んで下さい。社員さんの潜在能力は創造をはるかに超えてますよ!
「社員満足」と「顧客満足」は、相反すると思うのですが、どう考えてますか?
 社員を雇用してるので有れば(個人経営でない限り)必ず社員さんも顧客と接触します。その時社員満足度の低い社員が対応した場合を想像して下さい。悲惨です。
 いくら経営者だけが頑張っても顧客には、不満が残るでしょう。「社員満足」無くして「顧客満足」無しですよ。相反するどころか、「一身同体」です。
社員が自発的に行動する様に成る為には、どうしたのですか?
 まずは、経営指針+方針+計画(5年後を明確に)の3点セットの作成が必須です。会社の将来の可視化=モチベーションアップに繋がる。 社員の経営者化は「会社の夢」と「社員の夢」をどう近づけるかです。  
人事考課について少しお聞かせ下さい。
 当社においては、社員数が40名に成った事と、私たち役員の年齢を考慮して、後継者の負担軽減の為に4年前から準備に入り制度の作成、1年間の準備期間にて全社的な予行演習等を実施後、昨年の4月より本格的に導入しました。部下を持つ全ての社員が規定に則り部下の査定を年4回行います。以前は役員4人のみで評価してましたが、今は22名の社員で評価してますので、より公正、公平性が向上しました。
工場見学先は、どの様にして探していますか?
 中同協からの発信情報、知り合い情報、経済雑誌等。
これからの「夢」は、何ですか?
 中期事業発展計画書には折り込み済みですが、社員の平均年収600万円を突破する事。