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2019.04.15

広島東支部創立20周年記念講演 「体現者に学ぶ! 経営と同友会活動は両輪の輪」

 報告者:㈱ネストロジスティクス 代表取締役  迫 慎二 氏

【会社概要】㈱ネストロジスティクス 所在地:広島市東区馬木7-1984 創立:1964年 資本金:4,000万円 
従業員数:245名 売上高:40億7,900万円(50期) 事業内容:家具・引越等一般貸切運送事業

 2月16日に参加者約270名で開催された広島東支部創立20周年行事。そのうちの記念講演を要約してご紹介します。

■後継者、同友会に出会う
 21歳の時、当時同友会の会員だった母と交代して私が参加するようになりました。
 先輩経営者の話はさっぱりわからなくて、おもしろくありませんでした。
 そんな時、会社で事件が起こりました。売上の九割を占める会社から取引停止を言い渡されたのです。
 俺がなんとかする!と覚悟を決めて宣言し、どうにか危機を乗り越えることができました。しかしわが社は『いい会社』になっているのか。先輩経営者の言っていた就業規則も経営理念や計画もない。
 さっそく就業規則を整備し、経営理念を作る勉強会にも参加しました。30年以上前に作った理念は今でも掲げています。

■家業から企業への道
 本格的に企業をめざそうと、共同求人活動に参加しました。
 合同企業説明会でブースを出しました。が、学生さんは誰も来ません。通りがかりの学生さんを捕まえて一通り説明し、「うちに就職しない?」と言うと、「こんな小さい会社に就職したら親に怒られます」「そりゃそうだ」。そんなやりとりをしました。
 今も採用難ですが、少なくとも会社に対してのプライドはあります。採用は、すべての業種との競争。だからこそ、学生さんから見て「ここで働きたい」と言われる『いい会社』にしないといけません。
 同友会の『労使見解』は、当時もよく読んでいましたし、今でもためになります。私なりに内容を簡単に言うと、労働者も経営者も同じ目線に立とうということだと思います。
 そうして売上目標の10億も突破することもできました。しかしその先に目標がありませんでした。

■九死に一生の体験から
 その年は本社を今の場所に移転し、今のネストの基礎ができた年でした。しかし、「人間万事塞翁が馬」とはよく言ったものです。特に目標もないまま、経営は順調で、よく遊びに行っていました。
 そしてある日、船の事故にあい、脊椎損傷の大けがをしました。手術をした担当医は「歩けるようになる確率は1%」と言いました。
 絶望の淵も希望の淵も同じ淵。私はなぜか、よし、自分がその1%なろうと決心し、リハビリに取り組みました。「自分の足で歩く」という目標を立てて、毎日こつこつリハビリを重ねました。
 経営でも同じです。経営者がどんな会社にしたいかを思い描き、目標を決めてこつこつ実践する。100人のうち1人しか成功しないと聞いて、その1人になろうと行動するか、なれないと思って行動しないか。目標を持って行動しないと実現はしません。
 おかげさまでこうして歩けるようになりました。けがの翌年立てた目標、2018年に売上50億円も達成することができました。

■未来への戦略
 ネストの競争戦略は4つあります。1つ目は、学び続け共に育つ人間集団(人財)です。学歴が高くなくても、社会に出てからも学び続ければいいじゃないですか。共に学び育つことができるよう定期的に研修を行っています。  2つ目が、モノよりコトを追及する。商品ではなく、物流というコトで勝負するのです。どんなコトでわが社はお役にたつのか?川上から川下まで考えて提案する。そのためには、「もっといい方法はないか?」「もっといい会社にするには?」と考える集団になる必要があります。
 本で読んだ「稲盛流コンパ」を拠点ごとに実践し、ネストコンパで理想の人財像を伝えています。
 3つ目が競争する相手を定義すること。競争相手は同業者だけではありません。販売先も仕入先も競争相手。    4つ目が社会の中の優位性を持つことです。GAFAのように巨大でなくても、身の丈にあったプラットフォーマーになれると思うのです。2020年西風新都に完成する多層倉庫には、多くの技術を取り込んでいます。
 2033年には、1,000億円を計画しています。どうぞ皆さん、同友会で学んで、しっかり経営にいそしんでください。