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2018.07.31

新支部長紹介  「同友会は自社の経営に役立つ」ことを伝えたい

広島中支部長  原田 修治 氏(㈲シーピーシー 代表取締役)

B4一枚だった経営指針

 私が同友会に入会したのは1985年12月。取引先の経営者から、なかば強引に誘われ仕方なく(笑)でした。ただ、最大の驚きは、当時37歳だった私より、大先輩の経営者の方々が、真面目に自社の経営や悩みを語る、年齢・業種関係なく誰からも学ぼうという姿勢でした。同友会で「経営指針を成文化して会社を良くしていく」ということを学んでから、入会5年後に実際に作ってみたのが、経営指針に取り組むきっかけでした。文章にまとめるまでいろいろ考えるのですが、最初はB4一枚からのスタートだったのです。
 バブル崩壊後の1993年には、1千万円の赤字を出し、倒産の危機もありました。何とか乗り越えた時に、つくづく経営者が変わらねば、会社も変わらないと実感しました。しかし、最大のポイントは、経営指針を社員と一緒に全員で考えて取り組むことなのです。

㈲シーピーシー 経営理念
1.より良い物と心を提供しよう
2.より良い社会人をめざそう
3.より良い人生を歩もう

大手と同じ土俵で勝負しない

 わが社の事業内容は、広告企画・製作、名刺等の印刷物デザインです。先の倒産の危機の時に取り組んだのが、「名刺の無料提案」でした。ただ、社員からは猛反対されました。「デザインを仕事にしているのに、なぜデザインを無料にするのか」という当然の反応です。
 とにかく日本全国のいろんな街を「アポなし」でどんどん営業に回り、最終的には全国に取扱店舗を広げられることになりました。その最大の理由は、大手にはできないニッチを狙った戦略だったからです。三種類のデザイン無料提案、安価な「少量ロット注文」、カッティングも可能な「自由デザイン」、最短翌日仕上がりの「短納期」。しかも低価格で提供できる。ここから「会社案内」の注文にもつながっていくことができました。

新しい仕事づくり

 現在力を入れているのが、五年前から取り組んでいる「家系図絵巻」です。取り組むきっかけは、身内の葬儀でのことでした。普段あまり付き合いのない親戚だと、どんな関係かが見えにくいものです。そこで、自分の両親を中心とした家系図を作ったら、「そういうことだったのか」と好評でした。自分自身もルーツを知ることができて良かったのですが、商売にするつもりはありませんでした。このエピソードをある会員に世間話として話しをすると「それ商売になるんじゃないの」とポツリと言われ、事業化を決意しました。
 この「家系図絵巻」の仕事は、歴史好き、かつデザインやイラストが得意な私にとっては、「楽しい」「自分にしかできない」仕事です。現地に行って戸籍や歴史を調べたりと、かなり手間ひまもかかります。故に、値段もそれなりに高いものになります。
 それでも家族や親族に対する強い思いを持っている方がお客様として存在しているのです。この家系図絵巻・家系図部門を自社の事業の一つの柱に育て、十年後はオリジナル商品、家系図絵巻・家系図関連商品で日本一を目指します。

「オンリーワン」になろうや

 このたび、支部長という大役を仰せつかりました。今年七十歳の私にとっては、「まさか」という気持ちでした。「同友会の三つの目的」。これをめざしてコツコツと会社を変えてきたのが、率直な思いです。同友会で学び、それを実践して会社を変えていかなかったら、現在の我が社はなかったと思います。
 支部長を拝命して会員の皆さんに伝えたいのは「同友会は自社の経営に役立つ」ということです。広島中支部のスローガン「学んで、語って、即実践!~めざせ!オンリーワン企業!」、とにかくこれをめざしていきます。中小企業が生き残っていくためには「オンリーワン」になり、強靭な経営体質をつくっていくしかありません。このことを言い続けていくつもりです。