「『良いもの』+『何か』で新たな市場を切り拓く起業家精神」呉支部地域内連携推進・環境経営合同委員会
■報告者:(株)晃祐堂 取締役社長 土屋 武美 氏
■開催日:11月2日(木)
■会 場:(株)晃祐堂
■出席者:17名
今回は安芸郡熊野町で毛筆、化粧筆の製造販売をされている(株)晃祐堂の化粧筆工場を見学後、取締役社長である土屋武美氏(広島東支部所属)にテーマ「伝統×改革で新しい価値を創造」で経営体験報告いただきました。
まず熊野町の筆作りの歴史、産業について土屋氏よりお話いただきました。当社には毛筆作りの匠である伝統工芸士が4名在職されています。化粧筆の製造工程の見学では、OEMの受注割合が多いため工場内の撮影は禁止でしたが、製造、検品の仕組み原材料等についての説明で深く知ることができました。
中でも、世界初の化粧筆製造機を開発され稼働率の飛躍的なアップに繋がったこと、SDGsの観点から原材料に関して天然の獣毛ではなく人工毛のニーズが海外を中心に増えていると伺い、業界の最先端に立って事業をされておられると強く感じました。実際に参加者で天然毛と人工毛化粧筆の感触を比べましたが全く区別つきませんでした。
福島県喜多方市出身の土屋氏はご縁により熊野町の当社に入られ、化粧筆の製造販売を担当して来られました。自社商品「KOYUDO」の開発では、良いものを組み合わせることをテーマに、例①間伐材の活用(SDGs)×筆=お掃除ブラシ、 例②楽しい、かわいい×人工筆(SDGs)=ネコのフーガブラシなど商品化されています。
社員が入社して成長しやすい会社を理想とし、現在「製造」と「営業」を取り持つDXを取り入れた「全社見える化」でさらなる経営環境の整備を進められています。
今後の展開として「美点凝視→良いところを見えるようにする」を磨き、熊野筆から見た晃祐堂というブランデイングを意識し、海外向け高級筆の開発をメインに置いてゆくことで、原材料高騰のなか売上単価のアップを目指してゆかれるとの事でした。
そのうえで、経営に不離一体の存在として同友会にしっかり関わることは大切であると報告いただきました。
参加者一同現場で見て知って体験することで「筆を通して世の中に夢と笑顔を与える」当社の経営理念に強く触れた例会となりました。
記 おしゃれの店マルミツ 上田 靖