「人口減少社会と雇用対策」福山支部政策委員会
■講師:福山市産業振興課 雇用労働担当次長 北川 由紀 氏
■報告者:(株)タカハシ 高橋 克直 氏
■日時:9月5日(火)
■会場:事務局・Zoom
■参加者数:16名
9月の政策委員会は福山学①「人口減少社会と雇用対策」と題し、福山市の人口推移の現状や対策、これからの施策の方向性を学ぶとともに事例報告を行い、人口減少社会の課題と企業として取れる対策について考えました。
最初に北川次長が福山市の人口推移を紹介。緩やかながら減少している現状をふまえ、流出防止と転入増を図る取り組みを説明されました。人生のターニングポイントと、求めるライフスタイルにマッチした環境かどうか、この2点が人口増減に大きく影響することをふまえ、特に進学・就職のタイミングや子育て・共働き世代に向けた取り組みを重点的に行っているそうです。
進学して福山を離れた後も福山市の情報に触れてつながりを維持し続けることで、就職の際に福山に戻る選択が生まれるよう、卒業前後の高校生に福山市の公式LINEを登録してもらう取り組みや、男性の育児休業取得や女性の働く環境改善の補助制度などさまざまな施策を紹介されました。
高橋さんは人口減少が企業に与える影響として、消費減少にともなう売上減少、労働力不足などを挙げ、それらを守りの側面からだけでなく積極展開の材料とし、変革していく大切さを投げかけました。商圏や事業分野の拡大、利益率の改善、DXやAIの活用による働き方の改善など、取り組めることは多々あるとし、自社の不動産業を例にアウトソーシングによる売上構成比の転換や時間の使い方の変換を進めている事例を紹介されました。
発表を受けた討論では、なんといっても人材確保の必要性とともに、顧客に、そして働く人に選ばれる会社となる大切さが意見の多数を占めました。国の人口増の取り組みも短期で効果が表れるわけでなく、しばらくは人口が減り続ける中で企業は対策を講じなければなりません。ここの商品を買いたい、サービスを受けたい、この会社で働きたい。そう思ってもらうためにも、自社を良い会社に変革し続け、自社の魅力を発信し続ける。そんな日々の地道な取り組みの大切さをあらためて感じた委員会の学びとなりました。
記:社会保険労務士法人 藤井事務所 藤井 良章