「切り拓け!君の未来を!」合同入社式 福山会場 基調講演
講師:岡崎 隆 氏((株)オーザック 取締役会長、広島同友会相談役)
■失敗は最大のチャンス
新入社員の皆さん本日は入社おめでとうございます。
32年間経営をして感じたことは、失敗は必ずするという事です。私も、とてつもないほどの失敗を繰り広げながら今があります。私が思うのは、失敗は最大のチャンスという事です。
皆さんがどのタイミングで失敗するか分かりませんが、まったく悲観することはありません。失敗した時にどのような考え方で対処していくか、それが最も重要なことではないかと思います。
■自身の失敗から学んだこと
私は32年前新卒の社員さんを採用したいという思いが強く、身の丈以上の投資をしました。その時全く想定外のバブル崩壊というとんでもない時代に巻き込まれ、あわやオーザック倒産か、というところまでいきました。しかし、今ここで皆さんの前で話をさせて頂くところまできたのも、失敗をチャンスと捉えてやってきたことが今のオーザックをつくっていると言っても過言ではありません。
自分自身の失敗から、社員に本当に辛い思いをさせたことも度々あり、その都度自分には経営者の資格が無いのではないかと約15年悶々とした日々を過ごし、その中で色々と感じることがありました。
アメーバ経営についてのセミナーに参加した時の事です。上辺だけを「これは良い、これでやるんだ!」と軽い気持ちで行い、大失敗をしたことがあります。今までは社員間で協力し合って解決していたのが、グループを作った時から自分たち以外のグループの事は考えない、自分達のグループの営業成績さえ良ければそれでいいんだと思うようになり、会社全体の空気が凄く嫌な雰囲気になったのを覚えています。
これは、アメーバ経営が悪いのではなく、私がアメーバ経営の上辺だけを齧ってそれをすぐに会社に取り入れたことが間違いだったと思っています。この失敗から、事を起こす時はもっと勉強をして、自分の腹の中にきちんと落とし込んで行うことが必要だと感じました。
■成功の要因とは
松下幸之助氏は生前、松下電器産業㈱の今の繁栄の要因について「家が貧しかったこと」「学歴がなかったこと」「体が弱かったこと」と言われました。家が貧しかったため、小学校4年生で中退し丁稚奉公に出されました。そのため、少ない給料でも「1か月頑張ればこれだけもらえるのが悪くないな」と思えたそうです。また学歴がなかったため、雇用させていただいた全ての人は師であり先生であるという思いがあり、周りの人が色々なことを話してくれるのを聞くのが楽しくて仕方なかったそうです。そして病気がちで体が弱かったという自分の健康状態があったため、社員を信じて任せるしかなかったそうです。
中小企業の社長というのは仕事を自分でやった方が、速くて・良いものができて・お客さんに喜んでもらえます。しかし経営者の方々は今日入社された方を大切に育て上げて欲しいと思います。そうすることでその力が会社に必ず寄与するタイミングがやってきます。
松下幸之助氏の先に挙げた3つの要因は、経営者としてやっていく上でマイナスな思考だと思います。このマイナスな要素をプラス思考に考えるのが大切だと思います。
■新入社員の皆さんに期待する事
悪いことは必ずしも全て悪いわけではありません。自分がどう考えるかで必ずプラス思考に考えられます。失敗の数だけ成長のチャンスがあります。失敗からの学びを活かして、どう展開していくことが自分にとって、会社にとって、仲間にとってプラスになるのかを頭の隅におさめて、これからの社会人生活を謳歌してください。
記:事務局 中野