「企業変革支援プログラムと経営指針のいい関係」ひろしま経営指針塾同窓会例会
解説:初代塾長 錫木健一 氏(㈱PAC 代表取締役・副代表理事)
第6期が終了したひろしま経営指針塾。作っただけでは終わらせないのも特徴です。毎年恒例の「同窓会例会」が今年も4月13日に開催されました。今回は、難しくなったというウワサの「企業変革支援プログラムVer.2」について初代塾長の錫木さんより解説いただき、グループ討論で学びを深めました。以下、要旨をご紹介します。
■まずP12の26個の質問に直感で回答してみる
昨年10月に企業変革支援プログラムSTEP1とSTEP2が統合され、ブラッシュアップしたVer.2が発行されました。中同協の経営労働委員会でも、県の経営労働委員会でも役員が取り組んでみましたが、「真剣に取り組んだら5時間かかってもできなかった」「2日半かかったよ」という声がでるほど、手ごたえのある高いレベルのものになっています。実際によい会社、よい経営者、よい経営環境を実現するために、高いレベルを求められるのはわかります。できる人はしっかり取り組むと、すべき課題が明確になり、それを毎年つぶしていけば、いい会社になるはずです。
しかし、今から経営指針に取り組もうとする人や基礎講座で勉強を始める人にはハードルが高いかもしれません。このため、本のP12、13にはじめて取り組む人向けのページが設けられています。まずは、ここで直感的に質問に答えてみましょう。0から6のどのレベルかの判断基準はP13に書いてあります。
回答すると、STEP1と同様に気になる項目をいくつか見つけて、その項目のページを開くと解説と細かい実践例(サブカテゴリ)が出てくるので、取り組みたいところや課題だと思うところをピックアップしてみましょう。一度に3つまでにしましょうね。たくさんあると課題ばっかりで嫌になりますから。
■経営者としてのあり方を問い直す~自問自答を~
皆さんは、広島同友会の第七次中期ビジョン付録のサクセスシートはご存知ですよね。このシートは、経営者が起業・承継し、同友会に入会、自問自答、経営者としてのあり方を問い直し、社員さんやお客様とも向き合いなおして、経営指針の全社的実践に取りかかり、最終的には人間として経営者として生き様を語り継げるようにまでなるシナリオが描かれています。今、第8次中期ビジョン策定にあたり、このシートについても再検討しましたが、よくできているのでこれをさらに展開する方向です。このひとつひとつのステップを進むのに、大きな壁がいくつかあります。そのひとつが「4.経営者としてのあり方を問い直す」ところです。
ですので、質問の回答後にP23「経営者の自己変革」に取り組むのもおすすめです。さらに、このページに「不離一体シートの活用」とも書いてありますから、例会報告では、中期ビジョンのサクセスシートと不離一体シートを活用して報告することもおすすめしておきます。
企業変革支援プログラムは、経営者が自問自答するためのツールなのです。
■自社にあった項目を追求する
自問自答すると、「課題ばっかり」「現状をつきつけられた」と思われるかもしれません。でも、何に取り組むかは自分で決めるんです。経営課題を明確にして、どれに取り組むかは、会社の規模や業種・業態、現状にあわせて、重要で優先順位の高いものなど、自社にあった項目を選択しましょう。項目のすべてが5になる必要はないと思います。そこはうまく取捨選択しましょう。選択した課題は、経営指針に盛り込む。例えば、いつかやりたいことは中期目標として入れて、それを単年度、4半期ごとに落とし込むのもいいでしょう。できたら次の課題や目標に取り組みましょう。自社では、経営指針をブラッシュアップするツールとしてVer.2を使いました。
強じんな会社を作るためには、壁や成長の段階があり、それを超えるために、クリアしないといけない課題・項目があります。このVer.2を使って取り組んでみましょう。
記:事務局 青芝