ほっと一息 「新規事業に着手」(有)ゆかり屋 久留島 裕子 氏
「私と一緒にお仕事しませんか?」30代の頃、そうお声がけしてくださった貸衣装業のCORSOゆかり屋会長の久留島裕子さん。あの時はご一緒出来なかったものの、20年の時を経て、同友会にて再び邂逅。懐かしい思い出がよみがえりました。最近のご様子は?とお尋ねすると「新規事業に着手した」とのお返事。これはお話を聞かなくちゃ!と出かけました。
新たなチャレンジは、広島市南区皆実町に出店した「フォトスタジオ ノーブルジャパン/広島」。映画の撮影美術を手掛けるクリエイターが監修した空間で、映画のワンシーンのようなウエディング写真を撮影するという、なんとも贅沢なフォトスタジオです。
実際にスタジオをお尋ねしましたが、ドラマティックな設えに驚嘆しました。
今年創業70周年の節目を迎えるにあたり、新たな一歩を踏み出したかった。またコロナを通して、このまま貸衣装だけやっていくことにためらいを感じていた。そこに新たな出会いが加わって「ノーブルジャパン広島」の誕生となったそうです。
「今までもゆかり屋でお客様の撮影をしてきました。けれど専用のスタジオを持つことで、これまで以上にクオリティの高いお仕事が可能になりました」
こんな話も聞きました。ゆかり屋には総シルクのウエディングドレスがあるそうです。とても高価だけれど、軽くて、触り心地が良くて、張りがあって、ふわふわしている。一度袖を通すと、他の衣装は目に入らなくなるそうです。
写真も同じで、より自分を美しく見せてくれる場所で最高のウエディング写真を撮影したいのが世の女性です。挙式をせず、写真だけ記念に残したいという方も増えているとか。
自分の人生において何に予算をかけるのか。今後はより選択肢が増えていくことでしょう。来るべき新時代へを迎え撃つべく新たなチャレンジを始めた大先輩の決断に、私も大いに勇気を頂きました。
気づけば3時間も話し込み、久留島さんの爽やかな笑顔に見送られる頃には、陽が傾きかけていました。新たな扉は決心ひとつで開くのだと心に思った午後でした。
文:ひとつ麦 吉原 幸子