「五十歳で薬剤師になった 漢の勇気ある決断」呉支部呉南地区会
報告者:(有)ファーストライン 鷹橋 紀幸 氏
■開催日:2月17日(金)
■会 場:呉森沢ホテル
■出席者:32名
今回の呉南地区会2月例会は「44歳の新入生」~50歳で薬剤師になった漢の勇気ある決断~と題しまして㈲ファーストライン代表取締役 鷹橋紀幸氏に経営体験報告をして頂きました。
鷹橋氏は大学を卒業後、商社に入社され輸出入業務を学ばれたあと、31歳でアメリカに渡り、貿易会社を設立。その後、39歳で生産拠点の関係で中国に渡り上海で貿易の仕事を始めるようになりました。しかし、多忙な毎日を過ごされる中、志半ばでご実家に帰国するという1つ目の決断を余儀なくされます。
ご実家は父が開業医、母はその医院の門前薬局を経営をされておりました。鷹橋氏はその薬局の在庫管理や配送の手伝いをする中で、今後薬局の経営者として、自身の薬剤師の免許取得を必要と感じられ、44歳で薬科大学に入学を決断されます。
薬科大6年間、2度目の学生生活は薬局の仕事をやりながらの生活。ほぼ二回りも若い同級生には温かく受け入れられたが、自身より年下の講師には、かなり嫌がらせをされたというお話がとても印象的でした。年齢的なハンデ、留年はできない、必ず6年で免許を取る!との目標で無事50歳で国家試験に合格され薬剤師の免許を取得されます。
51歳の時に開業医の父が亡くなられ事業継承もうまくいかず、やむを得ず閉院となってしまいます。門前で経営されていた薬局の売上は40%もダウンしてしまい、経営の危機を感じた鷹橋氏は、薬剤の配送先である介護施設の人材不足に目を付け、また外国人研修生の介護枠が認められた事をきっかけに、52歳で外国人人材紹介業を検討し、「介護ひろしま協同組合」を設立されます。
その後、新型コロナウイルスの影響により海外からの人材交流は難しくなりますが、マスク不足時には中国での経験を活かし、いち早くマスクの輸入販売を行ったり、自身の薬局をドライブスルー化することにより、お客さんの利用頻度を上げたり等、精力的に行動されています。
また、55歳で同友会に入会され、更に人との繋がりが広がった鷹橋氏は、57歳で児童発達支援事業と、人材紹介先の医院で紹介された新規薬局の2号店のオープンと、同時に2つの事業を始める事を決断され、ますます積極的に行動されています。
鷹橋氏は、「経営の先を読む力は非常に難しい。しかし、実行に移す為の情報収集力と、決断力は必要。」と話され、ご自身がアメリカや中国でいろいろ失敗をして来た事は大きな経験であり、一度きりの人生、失敗を恐れずにやりたい事をやりきりたい。また、薬剤師の免許を取ったことは自身の大きな強みでもあり、バックボーンになっていると教えて頂きました。
鷹橋氏の熱意とチャレンジ精神、決断から実行力の速さに大いに刺激を頂いた例会で、今回の例会は「決断編」とし、次回は「新規事業実行編」の報告をして頂きたいと思いました。
記:朝日食品容器(株) 朝日 勇治