『企業変革支援プログラム』ver.2勉強会 もっといい会社づくりを進めよう!
解説:中同協経営労働委員会副委員長 吉武恭介 氏
(ワコウクリーンサービス㈱ 代表取締役・徳島同友会)
昨秋に改訂された企業変革支援プログラム。2月21日に中同協経営労働副委員長で改訂プロジェクト担当の吉武恭介さんを解説に迎え、勉強会を開催しました。解説と実践報告の要旨をご紹介します。
■第1段階:やりがいのある会社にしたい!
あなたは何のために経営していますか?私は経営指針実践塾に参加していた当時は「会社を存続していくため」でした。その後も毎年その問いに答え続けていくうちに、私が作りたい会社はやりがいのある会社だと気づきました。
やりがいを具体化するきっかけは、『企業変革支援プログラムSTEP2』でした。『STEP1』の自己採点はしていましたが、考えて行動するきっかけを与えてくれたのは『STEP2』です。改訂した『Ver.2』では『STEP1・2』の内容が1冊に織り込まれています。
例えば、顧客ニーズを知るためにはアンケートをしましょうと書いてあります。早速、お客様アンケートを取り、自社の強み何か、数値化して分析しました。
すると、顧客ニーズで自社の強みでもある項目が見えてきました。それをさらに強みとして磨き、毎月どの程度進んだかをチェックすることにしました。
すべきことが明確になると、次の行動につながります。一連の流れを『Ver.2』P13の表に社内の具体的行動をあてはめると成熟度のレベルが見えてきます。企業変革支援プログラムのいいところは、小さな取り組みや項目ごとにPDCAサイクルのレベルが確認できるところです。
他にもやりがいのある場づくりで取り組めることはないかと『STEP2』を眺めてみると、他にも取り組めそうな項目があることがわかりました。
けれども、『STEP2』は分厚くて、その大切な項目がばらばらに出てくるのです。ここを『Ver.2』では関連した項目が一覧で見えてチェックできるように大きく整理しました。このほか、前半の企業プロフィールシートにはさまざまなシートがあり、私は『Ver.2』P18の「事業の現状」シートを利用して現状を整理しました。上手に利用していただければと思います。
■第2段階:付加価値を高める取り組み
次は、付加価値を高めることに取り組みました。『Ver.2』では「Ⅴ付加価値を高める」にあります。
付加価値を上げるには、売上(入り)を増やすか、人件費以外の費用(出)を減らすしかありません。まず、そのことを「入り」を上げるリーダー、「出」の管理をするリーダーと共有しました。
わが社で「入り」を上げるには、新サービスや協力業者さんとの関係強化、値上げが考えられます。「出」を減らすには、わが社の三大出費の事故を減らし、エコ運転を徹底し、適正な時期に処分すること。これらをリーダーにお願いし、全社で共有するために社員教育にも取り組みました。
付加価値については『Ver.2』P65にも記述されています。付加価値の中に自分たちの給料も入っていることを説明すると、付加価値向上のためにお客様をどう獲得するか等、全員が取り組む体制が作りやすいです。
■第3段階:健康で元気な会社・社会をつくるために
2016年に合宿をして10年ビジョンをイラスト化しました。中心にはやりがいを持って働く社員像があり、「地域、会社、家族を健康で元気にする徳島No.1の会社!」を掲げました。
まず会社も家族も元気であるには、お金が必要と考えて、金融機関2行に問い合わせ、わが社の「事業性評価シート」を確認しました。ビジョンや3C、SWOT分析、KGI、KPIについて記載があり、空欄の部分はと質問を受けました。経営指針や企業変革支援プログラムを取り組んでいれば、ビジョンや3C、SWOT分析はあるはずです。今後は、科学性:計画・数字の部分をしっかり作りなおしていきたいです。
企業変革支援プログラムには多くの取り組むべき項目が掲載されています。中小企業は課題やできていないことが、おぼれるくらいあります。課題をつぶすことも大切ですが、それよりも自社が続いてきた理由「強み」を自覚し、何のために経営しているかを問い直して、強みを伸ばすほうを意識して、そこから取り組んでみてはいかがでしょうか。
※『企業変革支援プログラムVer.2』は同友会事務局にて2000円で販売中です。
記:事務局 青芝