「雇用について」福山支部政策委員会
■講 師:福山市産業振興課 次長 石川 英伸 氏
主事 北村 嘉浩 氏
■報告者:(株)豊田工業所 豊田 克浩 氏
■日時:1月10日(火)
■会場:事務局・Zoom
■参加者数:17名
福山市の雇用情勢の実態や推進施策を学ぶとともに、採用活動の事例報告から自社が今後取るべき雇用の方向性について考えました。 まずは福山市のお二方が市の雇用推進施策を中心に報告されました。労働力人口が減少する中で、「多様な働き方の推進」と「幅広い人材の確保」に重点を置いた施策を進める福山市。再就職を希望する女性やリタイア後のシニア、就職氷河期世代、非正規雇用の労働者、引きこもり・ニート等へのアプローチ等、人材の掘り起こしを図るとともに、都市圏やオンラインでの起業説明会などを展開しています。現在、市が推し進めている「ふくやまワークライフバランス認定制度」も紹介。仕事と家庭の両立支援に積極的な企業としての認定により、各種補助制度や優遇措置が受けられるとして、積極的な活用をアピールされました。 豊田さんはこれまでの採用活動での苦労や工夫を紹介されました。就労者の減少と高齢化が進む建設業界にあって、雇用・労働市場に合わせて採用活動を変化させてきたこれまでの体験や、業界全体として人材を確保・育成するため、メーカー等との共同教育やジョブローテーションなど、今後を見据えた展開をお話いただきました。質疑応答では、福祉や運輸などとりわけ人材確保が難しい業界への積極的補助の要望や、未就労の若者が増えている現状を踏まえ、職業教育の重要性を求める声が相次ぎました。
人口が減少する社会で、人材確保はかつてとは比べ物にならないほど重要な課題となっています。景気動向も厳しい中ですが、それでも就労環境の整備や福利厚生の拡充など、働きたいと思える会社となり、認知してもらわなければ企業存続も危ぶまれます。働く人のニーズをつかみ、できるところからでも整備していく。その地道な変化や改善を会社の魅力とし、既存の枠組みにとらわれず広く発信し、伝えていく。そんな日々の地道な活動の大切さをあらためて感じた委員会の学びとなりました。
記:社会保険労務士藤井事務所 藤井 良章