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2022.10.28

経営フォーラム2022第5分科会「中小企業を取り巻く情勢と経営課題 ~中小企業の視点から世界情勢を見る~」

講師:立教大学経済学部 准教授 飯島 寛之 氏

世界経済の4つの不確実性(短期的な視点からの)
(1)供給制約
生産活動の低迷、都市封鎖、運賃高騰、運航遅延など
(2)ロシア・ウクライナ情勢
石油、ガスの影響については来年以降の方がひどくなるかもしれない。
(3)主要国の金融引き締め
主要国の金融引き締めによる景気後退懸念。
(4)新興国経済の悪化
アメリカの金融引き締めによる新興国の債務危機懸念
焦点は中国とインド。
以上のことから短期的にはコスト高が収まる材料はない。

日本経済の長期停滞の原因は、規制緩和の遅れなどではなく、日本をリードする中心産業(車、家電)の成熟化のため。もう持っているから買わない。

グリーン(気候変動、環境、循環経済)や社会的価値(人権、労働、平等、健康等)といった共通価値を重視する動きが高まる 。

「安い労働力を使って大量生産し、安い運賃で運ぶモデル」の限界。
世界経済はグローバル化の推進によって「緩やかな成長と低物価環境」の時代から、「低成長とインフレ」が進む時代になりつつある 。
「値下げ競争」でなく「価格転嫁」と「付加価値創造 」をしなくてはならない。
「低コスト、大量生産」から「ニッチ」へ

かつてのような円高水準には回帰しない可能性もあり、安売りとは違う「安い日本」を武器に復活の道を探る 。

記:(有)今田石材工業所 今田 栄