第19回広島県商工労働局幹部の皆さんとの懇談会を開催
9月1日、第19回広島県商工労働局幹部の皆さんとの懇談会を開催。これは広島県の「中小企業・小規模企業振興条例」に基づき、中小企業者の現状を把握するための「会議」としても位置づけられています。新型コロナウイルスの感染拡大状況を踏まえ、今年も完全オンラインでの開催となりました。
■開会あいさつ
開会にあたり、粟屋代表理事は「自助努力を原則に自社の経営に取り組んでいるが、今年に入ってからの経営環境の変化のスピードの速さ、幅の大きさ、変化する対象の数の多さは、自助努力だけでは対応できない状況。行政や学校、金融機関、中小企業が一体となって地域の活性化のために力を合わせて行くことが必要」。
川口局長は「全国に先駆けてデジタルを中心に学び直しを進めるリスキリング推進プロジェクトと、県内から世界へ飛躍する企業一〇社を創設する広島ユニコーンプロジェクトに取り組んでいる。新型コロナや原材料の高騰で厳しい経営環境が続いているが、アフターコロナを見据え、中小企業をしっかりと支援していきたい。今日はしっかりと生の声を聞かせていただきたい」とのあいさつで懇談会がスタートしました。
■広島県・同友会からの報告
まず、現状の共有を目的に、今年度第一回アンケートの結果を宮﨑政策委員長が報告。
その後、商工労働局からは「物価高騰対策及びアフターコロナを見据えた支援策について」をテーマにコロナ機動的経済支援プロジェクト・チーム 三牧直美課長が報告。今春からの原油価格・物価高騰等の影響を受ける中小企業へ県費預託融資制度による緊急の金融支援、アフターコロナ対応経営革新推進補助事業、経営革新再チャレンジ応援補助事業などの支援施策について説明がありました。
同友会からは、㈱広島精機 柳原社長、福山観光旅行㈱ 漆川社長が「現状と課題」を報告。柳原氏は、コロナの影響は2021年1月頃から3ヶ月間、売上が30%下がった。その後は10%ダウンが続き最近ようやく回復してきた。これまでは大手の計画に沿って生産してきたが、これからは中小で連携して小さなニーズに対応した製品づくりが必要だと考えている。その連携に行政の支援をお願いしたい。
漆川氏は、コロナ禍で最大九九%の売上ダウンする中、様々な支援金、支援策に助けられた。ツアーの仲介から、自らツアーを企画することへ転換、広島県の支援もいただきながら福山に来て備後の物づくり産業をめぐり「学ぶツアー」など社団法人立ち上げスタートした。さらに旅行でないところでの仕事づくりもはじめ、できることをコツコツと取り組んでいる。との報告の後、グループ討論でさらに情報交換を進めました。
■閉会あいさつ・まとめ
最後に粟屋代表理事より、アンケートに基づいた広島県への政策要望を川口局長に提出。その後、閉会あいさつは広島県からは兼田総括官。同友会からは立石代表理事からありました。兼田氏は、「オンラインではあるが、直接みなさまの声を聞くことができた。厳しい状況に置かれていることを改めて伺うことができた。変化に対応しようしているお二人の報告もお聞かせいただけた。今後の施策を検討する際に有意義な情報となった。政策提案も含めしっかりと検討していきたい」。
立石代表理事は、「どんな環境が厳しくとも経営を維持、発展させていく責任がある、これが私たちの姿勢。その上で行政の皆さんと手をつなぎ、地域をよくしていきたい。予測のつかない激しい変化中、中小企業には若い人が必要。しかし集まらない。学校とも連携して、中小企業の社会的な役割を正しく伝え社会的地位を上げていかなければならない。広島県内の他部署、他局とも連携をとり、活性化できるように県をあげて支援体制をつくっていただければと思う」、とまとめました。
行政との連携はもとより、地域における中小企業の責務を改めて実感する懇談会となりました。
(文責 事務局 源田)