活動レポート
  • ホーム
  • >活動
  • >福山9月支部例会「自動車販売で30億売る、中卒社長。新沢亮二」
2022.10.25

福山9月支部例会「自動車販売で30億売る、中卒社長。新沢亮二」

報告者:(株)NIIZAWA 代表取締役 新沢 亮二 氏(広島西支部)

9月14日に福山支部の9月支部例会を福山城月見櫓及びZoomで開催しました。参加者数は178名でした。配信会場である月見櫓は、築城400年を迎えた福山城の改修を終え、現在、期間を限定してお借りすることができます。
軽39.8万円専門店で年間販売台数1000台超を誇る(株)NIIZAWA。もともと板金事業をメインに取り組んでいましたが、板金実績の減少に伴い、新規事業を立ち上げ、板金加工の強みを生かし、売上を上げています。
以下、新沢氏の報告要旨です。

******************************

当社は廿日市市に本社を置き、自動車販売業をしています。私は42歳までに売上30億を達成する目標を立て、今年の7月に2年前倒しで達成しました。これからの2年では50億をめざし、新たな商圏に挑戦する予定です。

■きっかけはライバル心

私は高校中退後に大阪の料理学校に進学しました。卒業後は県内のホテルに就職しましたが3年後に退社。今度は父親の紹介で、同友会の会員の自動車会社に就職しました。約3年勤めた後に再び父親の会社に戻り、自動車の板金塗装の仕事を始めました。
そんな時に小学校からの同級生が独立し、売上30億をめざしていると耳にしました。彼が経営者として振る舞う姿を見て、自分も起業することを決意しました。当時26歳。起業のきっかけは同級生へのライバル心でした。
それから私は当時、同友会で役員をしていた父親にお願いして同友会で勉強を始めました。経営指針のセミナーにも参加し、とにかくわからないことは聞いて回りました。次第に私は競争の激しい自動車業界で勝つために、自社の強みである自動車板金と軽自動車の販売に特化することを決めました。
開業資金のめども立ち、同級生と2人で会社を始めました。砂利の敷地に在庫車は2台。水道もなく洗車は雨上がりの水滴を利用していました。私は前職でスーツを着て仕事をしていた同級生が泥臭い仕事をする姿を見て、申し訳なくなりました。私の嫉妬心からスタートした会社でしたが、次第に彼にもっときれいな場所で働いてもらいたいと思うようになりました。私は奮い立ち、彼と2人で300台の車を販売しました。

■ニーズは絶えず変化する!

6年前に自社の強みである板金塗装を生かすために、商品製造専用の工場を建てました。このおかげで自社では今でも商品の安定供給が出来ています。
この工場では海外からの研修生も働いています。板金塗装は3年で一人前になれますが、ベトナムの研修生はルールにより3年で帰国してしまいます。そこで自社では1年で一人前になるために仕事を細分化し、専門的に学ぶ仕組みにしました。研修終了後は日本人と同じ待遇にして、続けて自社で働いてもらえる環境を作っています。人に困らない仕組みは他社との圧倒的な差別化につながります。
あなたの会社では強みとお客様のニーズが合致していますか。お客様はその強みを評価しているでしょうか。人が強みの場合は、その数値化が出来るでしょうか。
お客様のニーズは層によって異なり、絶えず変化します。また、世の中の流れや趣味嗜好、お客様の考えはどんどん変わっています。ここ数年で企業の対応力の重要性を思い知らされています。
お客様は会社の名前を2回聞いて初めて検索します。自社でも、この2回の認知を意識して会社のPRを考えています。
私が心がけているのは、父親から言われてきた「謙虚と率先垂範」です。社員に対して、「働かせてやっている」と「働いていただいている」という考えは表裏一体です。思いによって接し方は変わり、会社の成長スピードも変わります。求人サイトに登録すれば人が採用できる時代ではありません。ぜひ採用も仕事と考えてください。

■経営者に求められること

経営者は常に選択を迫られます。情報量が多いほど短期間で選択できます。そのためには多くの人と出会い、多くの情報を得ることです。私の土台は同友会で培ってきました。同友会の良さは業種も会社規模も関係なく、忌憚のない意見が言えることです。
私の目標は期限を決めていなければ、達成できなかったと思います。期限を決めることで人はやらざる得ない状況になります。目標と行動が決まれば、習慣も変わります。皆さんも最終的なゴールと日付を決めてみてください。
年齢に関係なく、経営者は学び続けることが求められます。私も仕事だけでなく人としても多くを吸収し成長を続けて行きます。

(文責 事務局 本田)