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2022.10.25

「インボイス制度勉強会」呉支部政策委員会

■講師:山下敦史税理士事務所 山下 敦史 氏

■開催日 9月1日(木)
■会 場 事務局+Zoom
■出席者 32名

インボイス制度は、現行の物やサービスを販売した際に受け取った消費税から、仕入時に支払った消費税を差し引きする「仕入税額控除」の仕組みを大きく変更するもので、仕入先から登録番号記載の「適格請求書(インボイス)」を受け取らなければ、仕入税額控除ができなくなるというものです。
そして、適格請求書を発行できるのは税務署に登録した登録事業者(課税事業者)のみであり、免税事業者或いは未登録事業者から仕入れをした場合、インボイスが発行されないので、仕入時に支払った消費税を差し引くことができなくなります。 現時点で、インボイス制度が関係するのは、事業者同士の取引の部分だということですが、気をつけておかなければならないのは、取引先への手土産を買う、出張先等でタクシーに乗る、飲食店で忘年会をする、接待で飲食店を利用するといった会社の経費で支払いをする場合であり、支払い先が免税事業者であった場合、そこで支払った消費税は控除できません。

インボイス制度は2019年の消費税増税で軽減税率が導入されたことに伴って導入が決まったわけですが、本当の狙いは、益税問題解消を盾に、免税事業者からもきっちりと消費税を取り立てることに他なりません。
免税事業者は、消費税を支払う義務がないということで、取引先からの消費税分のコストダウン要求を余儀なくされ、受け入れているというケースがあります。
この場合、消費税は受け取っているので、表面上では、取引先は下請法には抵触しておらず、免税事業者は実質的には得ていない「益税」を得ていることになります。

今回の勉強会は、自社にあまり関係ないと思っていた方も、気づいていない問題が見つかったり、制度が始まった時に起こる問題が浮き彫りになり、「この制度に対して反対して行くべきではないか」という意見が出てくるなど、大変意義のあるものとなりました。

記:㈱ライフハック 光田 将章