「経営計画書の重要性〜ピンチをチャンスに〜」福山支部S地区会7月例会
報告者:㈲下垣内工業 下垣内 基文 氏
S地区7月例会では、㈲下垣内工業 代表取締役の下垣内基文氏に、経営指針・経営計画書の重要性について、入社から現在までの実体験をもとに、発表して頂きました。
下垣内氏は、父親から会社の立て直しのため帰って来て欲しいと言われ、36歳で㈲下垣内工業に入社。新規事業を立ち上げて、売上を伸ばそうと4,000万円の工作機械を導入したものの、加工については素人だったので受注を期待していた取引先からは相手にされず、途方に暮れていました。
そんな中、親切な同業者の方々が声を掛けてくださって、加工を教わりながら仕事をもらい、なんとか会社を軌道に乗せることができたそうです。新規事業である半導体加工は、2年で売上の約7割を占めるほどになりました。
しかし、その成長とは裏腹に、経営は3期連続赤字でした。メインバンクから融資を断られ、サブバンクからは「3年で売上を3倍」にするように言われました。そこで初めて決算書をみた下垣内氏は、愕然としました。
けれども、それがピンチをチャンスに変えるターニングポイントとなったのです。1か月で経営計画書を作成すれば、融資してもらえる。SWOT分析で自社の強みと弱みを分析し、自社ブランドの商品販売に踏み切りました。原価計算、ターゲットの絞込みをして、販売できる体制づくりを整えました。営業方針は、大手商社と取引せず、さまざまな業界と付き合いリスク分散すること。
2003年に自社ブランド商品販売開始し、3年で借金全額返済、新工場を建設することができました。2015年には業界第2位へ浮上。現在では、約700社を定期訪問されています。
今回のお話を聞いて、経営計画書の重要性を再認識しました。当社も自社の強みと弱みをしっかりと分析し、顧客のニーズ・市場について研究して、しっかりとした経営基盤を作っていきたいと思います。
記:(株)ウェルホーム 藤原 敦子