合同入社式 広島会場 記念講演 「切り拓け! 君の未来を」
講師 松下 仁 氏 (㈱ジェイ・スマイル 代表取締役)
■サラリーマン時代の苦悩と学び
ジェイ・スマイルは安佐北区高陽町にて二店舗のコンビニエンスストア運営を行っている会社です。学生時代に、コンビニでアルバイトをしていたこともあり、将来この仕事に携わりたいと考えていました。学校卒業後は、念願どおり地元のコンビニを運営する会社に就職しましたが、配属初日の辞令で言い渡されたのは工場での勤務でした。店舗配属を希望していた私は工場でやる気の出ない日々を過ごしていました。しかし、腐っていても仕方がないと気持ちを切り替え、工場での仕事に精一杯取り組みました。その三か月後、店舗への配属が決まり、遅れを取り戻すように仕事に励みました。そして一年後、同期最速で店長になることもできました。振り返れば、工場での勤務はとても辛いものでしたが、あの時投げ出さずに前を見て行動して本当に良かったと思います。
■仕事は「チーム」で
店長就任から三年後、本社の組織編制と尊敬していた上司の退職が重なり、私も会社を離れることにしました。小売りの勉強がしたいと考え、自動車ホイルを卸す会社に営業として転職しました。顧客との商談時間を少しでも捻出するため、自ら閉店時に店前の旗を一緒に片づけたり、作業を手伝ったりしました。また、日々の積み重ねで信頼を得ることを意識しました。会社のためだけではなく、自分自身の成長のため、一人で多くの仕事を請け負い、営業成績を伸ばすことができました。しかし、仕事を抱え込みすぎた結果、体調を崩してしまい、営業をサポートする内勤に部署移動しました。これらの経験から私は、日々の仕事に余裕を持つことの大切さ、そして仕事は一人で頑張るのではなく、チームで目標を達成することの大切さに気付きました。
■仕事とは何か
経営者になってからもサラリーマン時代の学びが活きています。その一つに仕事と作業の違いがあります。作業とはマニュアル通り行動することです。仕事とは自ら考え、お客様のために行動することです。例えば当社では、店舗や時間帯によって客層が変わるため、それに見合った商品の陳列を行います。日々の業務において、ただ同じ行動を繰り返すのではなく、その時に見合った仕事をすることで、お客様の心を掴み、当店のファンになっていただけると考えています。
■全ては地域の方々のために
私たち中小企業は地域を支える主体者として、「地域」のために何ができるかを考えなくてはなりません。私たちは、地域のお客様のために様々な取り組みに挑戦しています。
二年前から新事業としてネットコンビニ(セブンなう)と移動販売・セブンあんしんお届け便を立ち上げました。ネットコンビニでは全国一の件数を獲得しています。
またあんしん便は、社員と共に企画書を考え、本部に提案して導入できました。高齢の方から小さな子どもを持つお母さんなど様々な方に喜んでいただき、社員も誇りを持って取り組んでいる姿を見ると、やって良かったなと感じます。私はこれからも新たな取り組みにチャレンジすることで、お客様も社員も楽しむことができる企業づくりをしていきます。
■皆さんに期待すること
私たちはお客様から給料をいただいています。お客様が笑顔になるために、少しでもご要望に近づくために、様々なことにチャレンジしてほしいです。時には大きな壁にぶつかることもあります。しかし、逃げるのではなく、壁にぶつかってみてください。できない言い訳を考えず、前向きに取り組んでください。私も工場での勤務で逃げ出していたら、今の自分は無かったし、夢を叶えることができなかったと思います。
皆さんも失敗を恐れず、どんなことにもチャレンジしてみてください。