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2022.04.01

「ダメダメ社長から成長の軌跡」東広島支部オープン例会

報告者 ㈱ツインズ 代表取締役  田中 透 氏 (東広島支部長)

 2月18日、オンライン(Zoom)にて東広島支部オープン例会が開催され、74名が参加。以下は報告要旨です。  

■創業時のしょうゆ焼き飯

 私は1965年に高知県で生まれ、口より先に手が出るわんぱく坊主でした。小学校の運動会の閉会あいさつで頭が真っ白になり5分間沈黙。これが今もトラウマです。
 18歳から20歳まで地元の電気屋に勤め、集金したお金の半分を遊びに使いました。その額1500万円。電気屋が警察に通報せず穏便な計らいをしてくれ、父親が弁償しました。その後、懲りずにまた850万円の借金をしました。親には自分で払えと言われました。
 高知でいかがわしい事務所で電話番をしました。これだと親の死に目にもあえなくなる、まじめにやろうと決意し、広島の自衛隊に就職しました。
 車が好きだったので、自衛隊で免許を取得し、瀬野川の運送会社に長距離トラックの運転手として転職しました。配置転換で給料が下がったので運送のアルバイトを始めました。2000年に運送会社をやめ、夫婦で貨物運送ツインズとして独立しました。
 創業時はお金がなく、わずかの仕事しかなく、夫婦そろってのパチンコ業でした。ある月、なんとか支払いは済ませて残ったのが262円。20日間くらい、しょうゆ焼き飯でしのぎました。
 同友会にはゴルフができると思って2003年に入会し、9年間は休眠しました。  

■危機の連続

 お金もないのに冷凍車を5台購入し、神戸進出をもくろみます。他の業者に決まり、もう倒産かと思いましたが、ゴリ押しをしてひっくり返し、仕事を受注しました。
 次のピンチはリーマンショックと原油の高騰です。銀行からお金を借り、お客さんに支払いサイトの延長をお願いし、乗り切りました。
 2012年に岡山に進出しました。この時は人の問題で苦しみ、事業停止を食らいました。  

■なにかおかしい

 昼食のあといつも会社のソファーで昼寝をしていました。ある時、「経営者なのに昼寝をしているのはおかしい」と思い、同友会活動に参加するようになりました。
 同友会で学んだことを少しずつですが自社に取り入れていきました。
 最初は運賃の適正化と業務の効率化に取り組みました。
 高校生を採用したいと思い、トイレを水洗化しました。
 2015年、経営指針に取り組みました。最初は私一人で作りましたが、社員が納得してくれません。2016年には、8か月かけて社員と一緒に経営指針を作り発表会を行いました。

■魔の役員研修大学

 2017年、役員研修大学ステップ2に参加しました。司会の役を振られました。人前で話すのはいやでしたが、全部の回の司会を引き受け、逃げ道をふさぎました。失敗の連続で参加者からヤジも飛んできました。ここで辞めたら私の負けだと最後までやり通しました。この経験がちょっとした自信になりました。また、私をいじめた経営者と親しくなり、たくさんのことを教わりました。

■社員教育は粘り強く

 わが社の社員教育は、経営指針を軸に小さなことから粘り強くやっています。事務所の改善、社員ミーティング、勤続表彰、バーベキューなどを行っています。
 求人のためにユーチューブ動画を作成し当社のホームページにアップしています。刑務所出所者の雇用は続けていきたいです。自分自身がヤンチャで親に迷惑をかけたので、恩返しの気持ちです。
 数年前に息子が入社しました。何度もやめたり戻ったりしましたが、最近はまじめにがんばっており、会社を継ぐことに意欲的です。事業承継は6年後と決めています。
 私は同友会のおかげで、ダメダメ社長から、なんとかここまでやってこられました。みなさんも自社のために同友会を活用してください。

住所:東広島市八本松町原10850-2(総括本部)
事業内容:一般貨物自動車運送業
設立:2005年
社員数:23名