「3代目となる決意〜先代の想い、自身の想い〜」福山支部P地区会
報告者:山本建具硝子店 山本 隆博 氏
P地区の10月例会は、「3代目となる決意〜先代の想い、自身の想い〜」と題して、山本建具硝子店 山本隆博氏に体験発表を行っていただきました。
山本氏は現在27歳。祖父が創業し、父が承継した67年続く建具店の後継者で3代目です。前職を辞めたタイミングで亡き祖父への憧れもあり、家業を継ぐ決意をします。しかし以前より父とは口も聞かず、仕事中も喧嘩ばかりの関係。同友会で体験発表の準備をする中、父への不満を吐露すると、その姿勢に先輩から厳しい指摘が。「誰に食わせてもらっているんだ。ちゃんとお父さんと話をしてきなさい」というものでした。
仕事や将来への想いはあったものの父と会話のない状態。意を決して自分の言葉で想いを伝える山本氏の姿勢に、お父様も真摯に応えてくれました。「お前が必死に考えていることはわかった。好きにすれば良い」と背中を押してくれます。山本氏はこれまで不器用な父の姿に一人苛立ち、自ら心に壁を作っていたと姿勢を改めます。
その後の討論テーマは「起業後、事業承継後、どのように経営をしてきたか」。体験発表から伝わる山本氏の実直さに、参加者からは、もう一度自らの事業承継、起業したときの原点を振り返ろうという声が。また、学ぶということは「得られるもの」ではない。どんなときも自ら学ぶ姿勢を持つことで「得るもの」だとも。
27歳の若い後継者はこの発表を期に自分も職場も父も良い変化があった。しっかり父から学び、家業を盛り上げていきたいと締めくくりました。
同友会入会間もない若手後継者の山本氏が、先輩経営者の意見を聞きながら、自分の態度を改めることで現状を打破していく姿に、自分の至らないことが思い起こされることもあり、身の引き締まる例会でした。