「依存症と同友会」福山支部P地区会
報告者:ジェイ・ワークス㈱ 上堂薗順代 氏
7月のP地区例会は、「皆さんは大丈夫?社員からのサイン!!~依存症の本人から学ぶ依存症~」とのテーマでジェイ・ワークス㈱上堂薗順代氏に報告いただきました。
幼少期のDVの影響で人間関係をうまく築くことができず、高校生の頃から自宅で始めた飲酒がその後エスカレートしてアルコール依存症に。栄養失調に陥り開始した治療は、何度も入院と強制退院を繰り返し、信頼できるソーシャルワーカーと出会い断酒会に入会するまで続きました。
1996年2月22日に断酒。以来25年間断酒継続。しかしそれで完治ではなく、日々飲酒に陥らないよう依存症のコントロールは続いているとのこと。一度快楽を覚えた脳は容易く元に戻ってしまうため、毎日が依存症との闘いだそうです。
「苦痛の緩和」という負の強化と「快感の享受」という正の強化により抜け出せなくなる構造は薬物、ギャンブル、ゲーム依存も同じだそうです。
依存症は意志の弱さが原因、依存症になるのは特殊な人でうちにはいない、勤怠が悪く職場貢献度が低い人がなるなどの誤解が多いが、誰しもが陥る可能性のある病気で、適切にケアすれば回復可能とのこと。
参加者全員で行ったアルコールパッチテストと飲酒習慣スクリーニングテストの結果を踏まえて、グループに分かれて感想の共有と依存症についての対話を行いました。産業構造の変化やコロナの影響などのストレスでメンタルヘルス不調者が増加する中、経営者は「いつもと違う」社員の様子にいち早く気づき、社員がしんどそうな時には「がんばれ!」ではなく、「何に困っているのか?」との声かけが大切で、それを実践できる職場環境を作ることが大切であることを共有しました。
青年部卒業例会でアルコール依存症を告白した際の先輩会員の方々の対応に大いに助けられて今日の自分がある。同友会は自分を助けてくれた大切な存在であり、その恩返しのためにも他の会員の学びに繋がるよう出席を続けるという上堂薗氏の言葉に、同友会の本質を感じた例会となりました。