「事業継続力強化計画~M&Aによる事業展望と今後」福山支部A地区会
報告者:ナウス㈱・㈱サトウ製作所 松本昌幸 氏
A地区7月例会では、A地区会員であるナウス㈱の代表取締役 松本氏より自社の事業継続力強化計画とM&Aについて報告いただきました。
ナウス㈱は大手製鉄会社のグループ会社が運営しているプラスチック廃棄物処理工場のオペレーション業務等の操業請負業を営んでおります。ナウスの将来の展望として、下請けからの脱却や事業の維持拡大について常に模索する中でM&Aを学び、縁とタイミングが重なって株式会社サトウ製作所とM&Aします。両社に利益があるwin−winのM&Aでした。
サトウ製作所はOEM主体のプラスチック製造業でしたが、設備があれば下請けから脱却できる可能性もあることから事業拡大に向けて少しずつ準備を進めていました。しかし2018年7月、西日本豪雨災害に見舞われます。主要な設備が水没する中、奇跡的に7割の設備が復旧できましたがBCP(事業継続計画)の必要性を強く感じました。そしてさらに新型コロナウイルスです。
サトウ製作所を継承してからピンチの連続でしたが、豪雨災害やコロナも、上手く助成金や補助金を活用することで設備投資に積極的になれました。老朽化した設備の更新による効率化により更に次の設備投資もできる見通しとなり、ピンチをチャンスに、サトウ製作所の事業継続力強化計画となっています。事業を継続させるために「停滞は衰退!」と自分を戒め、常に前向きに考え行動する松本氏の信念が伝わってくる報告でした。
グループ討論では「あなたの次の一手は何ですか?」をテーマに意見を交わしました。全国の中小企業の後継者不在率が60%を超えています。このような状況だからこそ、新たに設備投資をしてゼロから事業を立ち上げるよりも、事業を継承することで拡大を図るM&Aという選択肢は中小企業の成長戦略として理にかなっているという意見がありました。変化に対応するためには、常にアンテナを張って、学び続け行動し続けなければならないということを改めて考えさせられる例会でした。