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2020.12.03

ひろしま経営指針塾第4講 『経営指針の実践から10年ビジョンへ ~未来をワクワク描く~』

報告者:㈲広島金具製作所 代表取締役  水ノ上貴史 氏(福山支部・前ひろしま経営指針塾 塾長)

 10月24日、ひろしま経営指針塾第四講が開催されました。報告者の水ノ上さんに経営指針の成文化と実践・共有まで報告いただきました。その要旨をご紹介します。

■やってみてから考える日々

 入会当時は常務で、試練が続いたどん底の時でした。入会するからには、さぼらない、甘えない、言い訳をしないと決意し参加しました。
 経営理念を作ろうと言われ、早速成文化。入会の翌年、委員会に所属しないといけないと言われ、1丁目1番地の経営労働委員会に入りました。
 その後もお役目で企業変革支援プログラムの登録、経営指針を成文化と、言われるままに取り組みました。何もわからないので、まずは信じて行動し、それから考える、を繰り返しました。
 最近言われているDoから始まる「D-CAP」です。  

■成文化だけでは変わらない

 経営理念は、目的や考え方を示したもので、価値判断の基準になります。10年ビジョンは具体的な未来像、経営理念が実現できた姿と覚えておくといいと思います。
 経営理念を成文化し、唱和もしている。でも、社内でほとんど意識されない状況が続きました。だまされたかなと思ったほどです。
 そこで、毎日社員と向き合う覚悟で「終礼報告書」を始め、翌朝までに必ず目を通してコメントを返しました。また、各自が目標を掲げる「やるぞシート」も始めました。  

■考え動き始めた社員

 2014年のある日、突然、元社員から告訴状が届きました。ちょうど地区会長を任された時期と重なりました。
 この事が忍耐力や経験値・考え方が大人になれた経験でもあり、労働環境整備に対する意識も急激にあがりました。「人を生かす経営」の実践への始まりでした。
 ここからが本当の経営者のスタートでした。就業規則を作成し、社内で勉強会を開催。2015 年に社長就任し、発表会を開催。やることと言うことを一致させようと肝に銘じました。
 振り返ると、2017 年から18年にかけて転換点があったと思います。というのも、2017 年までは社長が言っていることとやっていることが同じだと社員が信用してくれるまでの知行合一期。そこからインターンシップ等の受け入れに取り組むことで、社員全員に考える習慣ができ、指針の共有が進み、社員共有期への手ごたえを感じました。
 
会社が変化した1番の理由は、経営指針書で決めたことの実践です。社員が自ら考えて動く「考動」を始めPDCAを回し成長し始めました。
 委員会でよく言われますが、経営指針の実践には「知行合一期」「社員共有期」「全社一丸期」があります。「知行合一期」が3から5年、「社員共有期」に五年位かかるので、全社一丸になるまでにおよそ10年かかることになります。
 2016年に10年ビジョン「毎日がワクワク♪目指せ!ファーストコール!」を策定しました。2018年にビジョンを絵にし、見える化しました。レッドオーシャンから経営理念「価値革新」の実現を通して、ブルーオーシャンをめざしている姿を絵にしていただきました。
 ブルーオーシャンをめざして航海していると言っているので経営指針書も「ヒロカネ航海図」と呼んでいます。  

■指針書の完成がスタート

 経営指針書は、作ったところからがスタートです。ただ経営指針を作るだけでなく、社員とワクワクする経営指針を共有し、共に成長しながら実践する。そして全社一丸となるまで10年かかると覚悟して経営者がぶれないことが大切です。
 まずは、経営者が想い(経営理念)を固め、実現に向けて10年後の自社の姿をイメージし、必ず紙に書き(描き)だすこと。そうすることで潜在意識に働きかけ、自然と行動が変わってきます。
 そして10年ビジョンは、経営者の私利私欲ではなく、社員と一緒になって幸せになれる姿を描かないとだめだと思います。
 最後になりますが、『人を生かす経営』がベースに入った経営指針書の実践で会社は必ず変わります。実践がなければ何も変わりません。
 ぜひ全社一丸でワクワクするような未来へ向かう指針書を作ってください。