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2020.12.03

「特別支援学校卒業生、がんばっています!」福山支部バリアフリー委員会

 福山支部バリアフリー委員会では、障害者雇用を行っている会員二名の報告を行いました。報告の概要をご紹介します。  

■映クラ㈱  代表取締役 山西健三氏

 2015年入社のO君は、車買取事業部で車両の清掃や修繕、カーナビの交換をしています。最近は自動車免許を取り、車の移動や陳列も出来るようになりました。
 当社では入社後しばらく週に一度、社員に業務報告を提出してもらうのですが、O君の入社直後のものは簡単な3行の報告でした。これを見た周りの社員は、字をきれいに書かせる指導ではなく、彼が前向きにできること、やりたいことを聞き出し、指導しようと考えました。しばらくすると、彼からは、うれしかった時のことやもっと役に立ちたい、と言った報告が出るようになりました。実は周囲の社員も彼への接し方は手探りの状態で、一緒に食事に行くなどしてコミュニケーションを取っていました。
 他の部署にも支援学校から入社した社員がいますが、特性は異なるため、1人ひとりと向きあうことが必要です。周囲は彼らが自分の仕事の結果がすぐ見える仕組みを作ってやりがいを感じられるようにしたり、感謝や期待の言葉をかけ続けたりしています。会社は自分が役に立ち、成長していると実感ができる環境を作ることが大切だと雇用を通じて学びました。

■㈲大下木型製作所  代表取締役 大下真司氏

 当社は危険を伴う仕事のため、障害者雇用はできないと思っていました。それがある年に支援学校の職場体験を受け入れることになり、そのまま採用となりました。残念ながら最初に採用した社員は退社してしまいましたが、現在、支援学校を卒業した一名の社員が頑張ってくれています。
 M君は仕事だけでなく、挨拶や周りへの接し方もパーフェクトです。入社後は製品の磨きやニスを塗る仕上げ作業をしていましたが、今はレベルアップをして、機械の操作や簡単なパーツなら作れるようになりました。図面の解読は苦手ですが、細かい指示をすると、きちんと作れます。私も含め、社員みんなが彼には予想以上の能力があることに気づかされました。彼があまりにも優秀なので、後から入社した社員に「M君は出来るのに、どうしてできないのか」と周囲が比較してしまう悩みが出てきてしまいました。
 当初は社員も障害者雇用に反対でした。イメージだけで判断していたからです。それが2名の採用を通じて考え方が変わり、雪解けのように会社がバリアフリーになりました。