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2020.10.23

「そもそも貨幣とは何か?」呉支部政策・地域内連携・環境経営3委員会合同勉強会

講師:広島大学 Distinguished Researcher・教授 角谷快彦 氏

「これから話すことは、私の意見ではなく、単なる事実です。」広島大学 角谷快彦教授は、冒頭でこのように断りを入れ講義を始めました。
 コロナ禍において、与党内だけでも「政府は国債を大量発行し全力で国民を救うべき」と唱える財政出動派と、いやいやそんなことをすると「ハイパーインフレになる」や「財政破綻する」或いは「将来世代へのツケの先送りになる」と警鐘を鳴らす財政緊縮派とに意見が分かれています。

 何故、このような相違が生じるのか?教授は、「貨幣観」の相違によるものだと説明します。
 貨幣観には、「信用貨幣」と「商品貨幣」があり、前者は貨幣とは「債務と債権の記録」であり、銀行は借り手の信用によって「無」から貨幣を創造している(信用創造)と説き、後者は、貨幣は物々交換の仲介役として作られ、「貨幣そのものに価値がある」と説きます。
 実はこの後者こそが、政府の政策に多大な影響を与えている主流派経済学の貨幣観であり、そこから生まれる財政緊縮を軸とする政策の結果が「失われた20年」です。
 また、信用創造については、政府も「無」から貨幣を創造しているのであって、国民から徴税し、予算を編成しているわけではないと説明されました。そうであれば、最も重要視されている税金の役割「財源調達機能」に矛盾が生じます。

 政府の政策に多大な影響を受ける私たち企業家が事実を知り、政治、経済学、そして経済政策のパラダイムシフトを要求する時が来たのではないでしょうか。