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2020.10.20

「Enjoy the Change ~前福山支部長が語る経営と同友会の変革のストーリー~」福山支部9月支部例会

報告者 ㈱カワムラ機工 代表取締役  河村直孝 氏(福山)

 自社は機械工具や物流機器の販売のほか、中古機械の買い取りや修理を行っています。私は3代目で2004年に社長に就任しました。大学卒業後に大阪の機械工具の商社に五年ほど勤め、後継者としてカワムラ機工に入社したものの、社長だった父親とは考え方の違いからよく衝突していました。そんな頃に同友会に初めてオブザーバー参加しました。すると自分と同友会の考え方が一致し、自分の居場所を見つけた気がしました。
 入会当時は聞いたことを翌日会社で実践、の繰り返しでした。当時の社員の半分は年上の身内で、何か提案してもすぐには受け入れてもらえませんでした。中でも1番ハードルが高かったのが個人面談です。私の幼少期を知っているような社員と何を話せばいいのかわかりません。しかし、私が少しずつ思いを伝えていくうちに打ち解け、自分の思いを話してくれるようになりました。
 また当時は社員の大半が50歳に近く、会社の10年後を考えると危機感を持ちました。自社単独で様々な採用活動をしましたが、どれもうまくいかず、2005年に同友会の共同求人活動にスポット参加しました。
 合同企業説明会に参加するも準備不足で、会社案内はA4用紙一枚。学生の応募もなく、翌年から年間参加することにしました。参加にあたり、就業規則や会社のホームページ、会社案内を見直し、説明会の方法や試験の内容も会員に教えてもらいました。新卒採用をすると、社員と一緒に同友会に参加する機会が増え一緒に学ぶことができるようになりました。  

七割経済の中で…

 自社ではコロナ対応として、新たな取り組みを三つ始めました。
 一つ目が隣接異業種である、加工・工事・修理と中古機械販売買取の二つのサイトの立ち上げです。後者は、備後地域では新品の機械販売は固定ルートが決まっていて新規企業は参入しづらく、中古に絞ってスタートしました。いずれも既存の仕事だけでは価格競争となり、太刀打ちできなくなるとの判断から生まれたものです。
 二つ目がメルマガの配信です。月に数度、約千社に配信し、相手が何に興味を持ち、どれくらいアクセスしているか分析しています。それに基づき、お客様の興味に沿った提案をしています。コロナ禍で新規営業が難しく、新しい営業スタイルの一つにしています。
 最後が非対面式の営業です。自社では対面式の営業に代え、Zoomを使ったセミナーをしたり、社員が中心にYouTubeやインスタグラムで情報発信したりしています。どれもコロナがあったから生まれた取り組みです。
 自社の今後の課題の一つが業態変化です。7割経済の中、今いる社員数で、自社でも業態変化をしていかないと生き残っていけないと考えています。社員には全社一丸でコロナを乗り越えるためにも、自分たちができることを考えて欲しいと話しました。営業の社員は外回りができない分、毎朝、最近のヒット商品を取引先にメールし、業務担当の社員は送った見積もりのフォローをするなど攻めの姿勢に変わってきました。  

最後に

 私もそうでしたが、他社の取り組みが全て自社に合うとは限りません。しかし、その中から色々実践し続けてみれば、それがいずれ社風になり、定着します。実践して社風に合わなければ止めてみてもいいのです。
 経営者が素直に学ぶ姿勢を取ると、社員は理解してくれます。儲かったからと言って、すぐにいい車に乗り始めるような経営者だと、社員はきっと理解してくれません。きちんと社員に説明し、思いを伝えるときっとわかってくれます。私自身もそう思って経営をしています。
 今、コロナの影響がまだ出ていない企業も今後は変わってくるかもしれません。そんな時には、今日の取り組みを参考に若い社員を巻き込みながら、やってみてください。
 皆さんには同友会にもっと関わり、同友会の輪を広げていただきたいと思っています。