県への政策提案 Withコロナ~感染症拡大防止と経済の両立を
広島同友会は県商工労働局に4回目の政策提案を行いました。コロナ禍の中で、会社と雇用をどう守るのか、新しい仕事づくりをどう進めるか、借入で劣化する資本をどう強化するのかなど、経営者の悩みや課題は尽きません。そうした経営者の声に基いた感染症拡大防止と経済の両立を求める政策提案をご紹介します。
1 Withコロナ~長期(2年~3年)の政策を示す
・コロナ禍は、長期にわたる可能性があります。「コロナと共に生きる」覚悟が必要ですし、経済・社会活動の再開・継続が中小企業の存続のためにも欠かせません。まず、医療機関や医療従事者へのしっかりした支援、そして防疫の観点からPCR検査が容易に受けられるような環境をつくるよう提案します。また、感染者に対する風評被害に配慮した施策も大切です。
・「コロナ収束が読めないので不安」という声が寄せられています。雇用調整助成金や無担保無利息の融資制度の長期延長と制度拡充をはかり、各社が経営計画を立案しやすい環境を整えられるよう提案します。また、持続化給付金などの条件を一つで区切らず、段階的に緩和(売上減 20%~50%に対応)することを提案します。
・多くの中小企業で借入金が増えています。資本の劣化を防ぐため、「永久(返済時期を定めない)劣後ローンの導入」を提案します。
2 内需を回復させ、地域循環型経済を
・アンケートでは、「経営上の問題点」のトップに「民間需要の停滞」(34%)があげられました。「仕事がない」など、悲鳴のような声も多数寄せられています。内需を刺激するために、時限的に消費税を凍結(2年~3年、税率ゼロ)していただくよう提案します。
・コロナ禍は、外国に過度に依存する日本経済の弱点をあぶりだしました。「国内・県内企業からの調達をはかる」、「自給率向上を施策の柱に」などの声も寄せられています。広島県の食料自給率(平成30年度でカロリーベース23 生産額ベース38)を上げる施策の立案と推進を提案します。昨年、広島県は人口の社会減が全国で最多になりました。『就職による県外への転出が非常に大きい。県内の大学生と企業が交流する新しい場をつくるなど、取り組みを強化している』(2/5中国新聞)と知事は説明されていますが、会員からも「県内への就職者を増やすために大規模な施策」や「地元ならではの課題やアイデアを募り、地元で実行していくための仕組みづくり」(例:府中市の『地域に学校を、学校を地域に』の取り組み)などを望む声が寄せられています。
・コロナ禍は新しい企業活動を加速させようとしています。中小企業としても避けて通れないデジタル化(DXなど)やIT、そしてテレワーク・リモートワークの活用推進への支援を提案します。
3 Think Small First(まず中小企業を考える)の政策
・「Think Small First」は欧州中小企業憲章の前文にある一節であり、平成22年に閣議決定された「中小企業憲章」の基本原則の一つでもあります。中小企業にどんな影響を及ぼすのかを考えての政策立案をお願いいたします。コロナ禍の中、感染防止のために自粛要請が出され、多くの企業で売上が激減しました。持続化給付金や休業協力支援金などの施策は出されましたが、休業に見合った金額ではなく「焼け石に水」との指摘もあり、「自粛要請には応分の補償金」の支給や迅速な施策対応を望む多数の声が寄せられました。
・昨年、7月20日が「中小企業の日」に制定されました。中小企業・小規模事業者の存在意義や魅力等に関する正しい理解を広く醸成する機会を国民運動として提供していくことを目的としています。その趣旨に沿って、県民への広報や子どもたちへの教育など、特段の取り組みを行っていただくよう提案します。
・「条例」が県内の市・町にそれぞれで制定され、県・市町が一体となって中小企業・小規模企業の振興がはかれるよう、「条例」の制定を市・町に働きかけていただくよう提案します。
以上