「 コシバオリンピックに参加しよう! ~企業再生型M&Aと事業承継」呉支部8月例会
報告者 ㈱コシバ 代表取締役 小柴繁美 氏
●市場が六割減、その要因
デフレによる景気低迷が続き、クリーニング市場は売上がピークの1992年から比較すると6割減です。
主な減少理由は、「ファーストファッションの流行・カジュアル化」「週休2日制度の普及」「人口減・高齢者増加」「クールビズ・スーパークールビズ」「きれいなコインランドリーの出現」「スーツを着用しない経営者」「家庭用洗濯機の大型化・家庭で洗える商品の増加」と分析しています。
そして、新型コロナ禍では、生活様式の変化に直面しています。
●業績は15年連続増収
その中でも小柴グループは15年間増収の右肩上がりを続けています。
弊社の成長要因としては、「商圏がバッティングしない業者の二世の会に加入」「バブル後、他社に先駆けて日祝日営業」「委託店舗から直営店舗へ転換」「金融機関の借入条件を徐々に変更」「スーパーへたくさん出店できた」「スタッフが揃ってきた」「19年前からコインランドリー併設店舗」「M&A」「良い仕入業者・協力会社に出会えた」「運が良い。これが一番の要因。ご先祖様に感謝」があると考えています。
●企業再生型M&A
特にM&Aはこれまで5社(シロヤ、ホワイト急便広、レインボードライ、カーニバル、阿川ドライセンター)を実施しました。多少の失敗も経験、それも次へのステップとして考え現在に至ります。
基本的には、店舗・機械・希望するスタッフは全員雇用。これまでM&Aをした会社の中から、支店長が4名(全9支店)、女性の支店長は2名おります。人材育成としては成功だったと思っています。
直近では、2019年に出雲でM&Aを行い、会社の立て直しを、2名の女性支店長が担当しました。(この2名は男性顔負けのスーパー支店長です)
「1ヶ月は、こちらからは何も言わない。とにかく現地スタッフの不平・不満を聞くこと。指示をしない」という方針を出しました。
今のままでは駄目だ、変わらないといけない、と一番思っているのは現場スタッフです。個人面談をすると、全体的に雰囲気が暗い、休めないという不満が出されました。
急遽、計画を前倒しで、生産性アップのため工場のレイアウト変更、業務改善でレジの機械を変更、時給のアップ、と進めました。支店長候補のマネージャーも育成し、順調にきています。
●パンダの子育て
私にとって、事業承継とは息子につなげることです。
子どもには苦労させたくない、継がせたくないといわれる方もいますが、そこで働く社員はどう感じるでしょうか?大変なことはたくさんありますが、社長でないとできない楽しいこと・やり甲斐も伝えましょう。
弊社では、私が還暦を迎える2年後に社長交代です。現会長もおり、私は福を呼び込む「福会長」に就任です。
現在の新型コロナ禍、会社の存続に全力を注ぎます。3年間が勝負、1歩前へ進みます。「負けてたまるか!」
パンダの子育て、事業承継(抜粋)
1.中小企業の場合、息子(娘)が社業を継げば割とうまくいく。
2.私は子どもに会社を継ぐように話していた。
3.経営者は大変なことが多いが、楽しいことも多いということを伝えるべき
4.入社した時に、いつ社長になるか伝える