需要がなくなった ~コロナ禍で急速に悪化!~経営課題アンケートは過去最高の回答数
政策委員会(宮﨑基委員長)は、7月1日から20日にかけて、今年度第1回のアンケート調査を実施しました。回答数で過去最高を更新し、875名の皆さんから回答がありました。アンケートの概要を紹介します。
(※DI=傾向をみるための数値。DIが100に近づくほど良い(上昇)、-100に近づくほど悪い(下落)ことを意味する)
前回調査より大幅(46ポイント)に下がる
「現在の経営状況」は、DI値-26を示し、半年前の調査より46ポイント下がりました。
業種別にみる「現在の経営状況」は表①の通りです。製造業のDIは-50、卸・小売業DI-36やサービス業のDI-25と比べ、飛びぬけて悪くなっています。建設業DIは4で、唯一プラスですが、当面の仕事は確保しているもののこれから先の需要は落ち込むとみられています。
ただ、表の大きなくくりの業種では実態はつかみにくく、たとえば、サービス業での「専門家など専門業」では15の+DIでしたが、「運輸業」は-56、「広告」は-50、「飲食業」にいたっては-93に落ち込んでおり、個別の把握が必要です。
「民間需要の停滞」が問題のトップに
経営上の問題点の上位5は表②の通りで、「民間需要の停滞」(34%)がトップになりました。会員のコメントには「仕事が激減」、「終わりが見えないものにどう対応していいかわからない」という悲鳴のような声が寄せられ、雇用調整助成金や無担保無利息の融資制度の延長を求める声が上がっています。また、需要を刺激するために消費税の減税や免除を求める意見も多数寄せられました。
これまで1位だった「従業員の不足」は3位(26%)に下がりましたが、4分の1は不足と答えています。ある意味、人材獲得のチャンスと受け止めたいものです。「取引先の減少」の指摘が前回調査より7ポイント上がっているのが気になるところです。
アフターコロナの経済・社会で進むこと(表➂)
「デジタル化・IT化の推進」(71%)、「テレワーク・リモートワークの増加」(67%)が上位を占めました。これまでなかなか進まなかったことが今一気に進もうとしており、この対応が急務です。同時に、デジタルでは伝わらないものがあるとして、「リアルでの対面接触の価値が向上」(24%)が4分の1をしめ、「高付加価値の追求」(26%)とあわせて、注目しておきたいことです。
「経済格差・差別の拡大」へと不安定な方向に向かうだろう見ているのは3分の1(34%)あり、ほぼ同数の方が「地方分散型社会への転換」(33%)が進むだろうと見ていますが、表裏の関係です。
宮﨑政策委員長はアンケートを振り返り、「リーマンショック以上の景気後退と言われる今回の経済状況は、半年前の前回調査で指摘したように、米中の貿易摩擦や消費税増税の影響で昨年末から悪化しつつあったものが、新型コロナ感染拡大とともに急激かつ大幅にダウンしたとみるべきでしょう。したがって、国民の生活と中小企業の経営を守るコロナ緊急対策は長期の施策が必要で、加えて、無くなった需要の刺激策として消費税の減税や免除が求められます。県や市、マスコミなどにアンケート結果を提供していきます」と話しています。