寄稿「中小企業の日」に寄せて(1)「ピンチをチャンスに」
中国経済産業局長 渕上 善弘
広島県中小企業家同友会の会員並びに関係の皆様におかれましては、平素から経済産業行政の推進にあたりまして多大なるご理解とご協力を頂き、厚く御礼申し上げます。
さて、中小企業憲章が平成22年6月に閣議決定されて、今年で10年目を迎えました。この記念すべき年のなかで迎えた「中小企業の日」、「中小企業魅力発信月間」ですが、世界的に広がりを見せる新型コロナウイルス感染症により各国多大な被害を受けており、我が国における経済活動への影響も極めて大きく、会員の皆様にとっては今後も感染リスクをコントロールしながらの厳しい経営が続いていくものと考えられます。
経済産業省では、今回特に大きな影響を受けている中堅・中小企業等の皆様には、事業の継続を下支えするための最大200万円給付する持続化給付金に加えて、固定費の中で大きな負担となっている地代、家賃の負担を軽減するための家賃支援給付金を開始しました。その他、資金繰り支援、各種補助金による設備投資、販路開拓支援などを実施しており、今後も皆様の事業の継続、雇用・暮らしを守り抜いていくために、全力を尽くして参ります。
一方で、少しずつではあるものの明るい動きも見え始めました。新しい生活様式への移行等を背景に業績を上げている企業や、ピンチをチャンスにとの発想で新分野に進出する企業の取組も聞こえています。当局ではこのような厳しい状況にある今こそ、将来に向けた新しい取組や備えを行おうというコロナの後を見据えた動きを応援することが重要と考えています。また、サプライチェーン強化のための国内生産拠点の確保やテレワークの拡大の動きは、大都市への機能の集中から地方分散につながる大きなチャンスになるのではないかと期待しています。
今回の新型コロナは大変な試練ではありますが、このピンチをチャンスに変えようという会員の皆様のご活躍を大いに期待します。