二〇二〇年の同友会運動を展望する ~代表理事からのメッセージ
<登場人物>
代表理事
粟屋 充博 氏(旭調温工業㈱ 代表取締役)
勝矢珠容子 氏(㈱勝矢和裁 会長)
立石 克昭 氏(㈱タテイシ広美社 代表取締役会長)
広報部長 川中 英章 氏(㈱イベントス 代表取締役)
川中 明けましておめでとうございます。毎年のこのページは、代表理事の皆さんのご挨拶を掲載させていただいています。今回は少し趣向を変えて、対談風に会員の皆さんへのメッセージにしたいと思います。特に、同友会の活動・運動をどう進めるか、についてお話しいただこうと思います。
まずは、2019年の活動・運動を振り返って、いかがでしたでしょうか。
■2019年の成果と課題
粟屋 会の内外に同友会の存在意義・存在価値を高めることが代表理事の役割と認識しています。対外的に同友会のイメージを向上させるための県全体としての活動(広報)が出来れば良かったと感じています。
昨年、経産省で7月20日を「中小企業の日」と定めて頂いたので、今年は7月に広島同友会として何か、中小企業並びに同友会のイメージの向上につながる活動が出来れば、と思っています。
川中 広報の問題は耳が痛いですね。女性経営者全国交流会(女全交)の際も広報の役割が問題になりました。
勝矢 6月に女全交が広島で開催されました。中国新聞が積極的に取り上げてくださいました。それだけに、プレスリリースが遅れたのは残念でしたね。
女全交自体は過去最高となる四五同友会からの参加を得るなど、大きな成果を残すことができました。準備や運営では、女性部だけでなく、県全体のご協力をいただきました。こうした成功体験は、今後の大きな行事に生かされるのではないかと思います。
また、女性の手で女性会員を増やそうと努力し、目標の20名を達成できたのはうれしかったですね。
川中 会員増強の動きは全国会員五万名、広島同友会2700名をめざして動いてきました。
立石 代表理事として全体を見てきましたが、私は主に会員増強に力を注いできました。今年度末に2700名達成を目指していますが一進一退の現状です。皆さん頑張っておられる中で退会が多いのが残念です。新入会員フォローの強化も一方で必要と思います。
今、県北支部発足に向けて活動していますが手ごたえを感じています。そのためには経営に役立つ質の高い例会づくりが不可欠です。しかし、支部によってはその質にばらつきがあるのが現状です。
中小企業の経営環境を改善する必要があると思っています。そのためにも各市町に「中小企業振興基本条例」を作るための取り組みが進められています。廿日市市、広島県に続き、昨年は呉市でできました。私は数年前から府中の条例制定に取り組んできましたが、ようやく市が動き出しました。
■次年度活動への視線
川中 次年度に向かって、新たな方針作りが進んでいます。まず皆様ご自身は、どんな取り組みに力を入れたいとお考えでしょうか。
粟屋 引き続き、広島同友会の存在価値・存在意義を会の内外共に高めて行けるよう、微力ながら尽力したい、と思っています。
対内的には、我々中小企業が直面しているあらゆる経営課題の解決につながる同友会ならではの「学びの場」、「本音で話せる場」、「情報」を引き続き会員に提供することが基本的に大事な事だと思います。
対外的には、行政・金融機関・学校・他団体との信頼関係を更に強め、地域から必要とされる(あてにされる)同友会になること、です。そうなれば、会員の皆さんも「同友会の会員で良かった」、「同友会の会員であることを誇りに思う」と思えるのではないでしょうか?
勝矢 色々な会員さんとお話ししていると、会に対する様々な考えや要望が出てくることがあります。例えば、事務局との関係や、勉強会の在り方などです。会の軸線になっている、経営指針への関心に大きな個人差を感じます。時には正副代表者会議で取り上げてみてもいいのでは、と思います。会のビジョンや方針を大事にするという前提で、会員さんが何を望んでいるかのか、会活動に対する簡単なアンケートをとってみてるのも一考ではないでしょうか。
立石 引き続き、会員増強の気運を維持し、県北に会勢を拡大していくよう努力します。
各市町に中小企業を中心とした地域づくりができる中小企業基本条例を推進していきたい(府中市は本年条例が制定される予定です)。地域の若者が地域で働ける環境を作のも我々中小企業の役割だと思います。
また同友会の経験を活かし会内に語り部として同友会の魅力も発信していきたいですね。
■次年度方針への思い
川中 2020年の経営環境については、あまり明るい話題がないように感じます。働き方改革への対応など新たな取り組みも求められますが、企業間の格差もますます大きくなっているようです。そんな中、次年度の活動方針について、どんなポイントが考えられるでしょうか。
粟屋 第一は、七月を「中小企業魅力発信月間」と位置付け、同友会の認知度とイメージの向上並びに会員増強にもつながる活動を企画・実施することです。第二に経営フォーラムを七〇〇人規模で開催したい。第三に財政基盤強化のために、支部繰越金のルールを確立すること。第四に三千名会勢達成に向けて会員増強に継続して取り組むこと。第五に次期リーダーの育成に注力すること。第六に事務局の体制強化(若い事務局員の育成)が必要だと思います。
勝矢 女性経営者を増やす活動の中で、女性起業家が想像以上に多いことに驚かされました。この方々が入会につながるようにしたいですね。
この方々は、意欲は高いのですが、持続的に経営を進める考え方や取り組みについての知識はあまりありません。ですから同友会で基礎的なことから学んでいただき、いずれは組織経営をしていただけるように関わっていきたいと思っています。
立石 企業づくりの中で、時代変化の中新しい仕事づくりを会からも発信していくべきだと思います。そのためにも、内容のある「経営の匂いがする」例会づくりを各支部・地区会に浸透させことが必要です。
人口減少と採用難は中小企業の大きな課題です。時間はかかりますが小中学校・高校とも連携し、地域の子供たちに地域の中小企業の魅力発信をすることが必要だと思います。そのためにも、中小企業が地域の学校や行政にもっとかかわることを進めていきたいですね。
川中 代表理事の皆様のお話を聴いて、広島同友会の現状や課題、我々会員がそれぞれに取り組むべき事が明らかになってきたと感じます。この一年が、会の大きな発展につながりますよう、一丸になって「より良い」を目指していきたいものですね。ありがとうございました。