「新しいビジネスへの挑戦!」福山支部J地区会9月例会
報告者:㈱御幸鉄工所 佐藤普三 氏
経験から、新しいビジネスへの挑戦!!~人との縁を大切にし、その縁が全てにつながった~」と題して、㈱御幸鉄工所の佐藤普三氏の体験発表でした。
佐藤氏は父親が創業した御幸鉄工所に入社し、20代前半にして、職人気質で現場一筋だった父親から「現場以外の事はほぼ全て任される」という状態で、若くして「ほぼ経営者」という貴重な20代を過ごします。
その後、平成初期のバブル崩壊を経験。その時に仕事がない事の悲惨さを「経営者」として痛感できた事がその後の工場・設備・人材・情報への投資や考え方に活きたそうです。
佐藤氏の体験発表の前に御幸鉄工所の工場見学を参加者全員で行ったのですが、その際に同業種の方から「ここは何でも揃っとって、材料さえあれば何でも作れるな~」という印象的な一言があったように、佐藤氏はバブル崩壊を経験した後、工場敷地の移転・拡張、大型工作機械や先進的な設備の導入、海外人材の積極的な受入と戦力化など自社に活力を与える施策を次々に実行し成果を出して行きます。
そんな施策を実行できたり、思いついたりしたその背景にはいつも「人との縁」がありました。同友会やその他各種団体で知り合った同じ経営者仲間、生産能力増強の際に資金だけでなく知恵も貸してくれた金融機関の方、応援してくださる地域の皆さん。
そんな「人との縁」が象徴的に現れた出来事としてNASAへの装置納入がありました。そう、NASA=アメリカ航空宇宙局です。きっかけは経営者仲間が教えてくれたママが一人で営んでいる飲み屋さんに立ち寄った事でした。「福山駅近くの小さな飲み屋さんから宇宙へ繋がる」そんな事があるんですね。
今回の発表で佐藤氏のワクワクとした少年のような表情を見て、佐藤氏が多くの「縁」を自分と自社の社員たち、仕事や地域で関わる仲間たちに「成果」として還元ができた理由が少しわかった気がします。
「人との縁」はただそこにあるものではなく、気づき、作り、育み、感謝する事で、更に大きな縁となって回ってくるのでしょうか…。また例会で佐藤氏と一緒になった際にはその辺りの事を聴いてみたいと思います。