100年続いた企業の秘密 広島西支部3地区会合同例会
報告者:㈱デイ・リンク 代表取締役社長 川口 康之 氏
9月18日に広島西支部の3つの地区会が合同例会を開催しました。当日の川口氏の報告概要をご紹介します。
当社は昨年創業100年を迎えました。創業当時は精米業や燃料、食品酒類も取り扱っていたようです。その後、スーパー、酒のディスカウントストア(DS)と業態を変えながら今日を迎えています。
●外部環境とチャンス
外部環境を分析してみると、お酒の部門では価格面での強みは消えつつあり、食品部門は同業他社だけでなく、ドラッグストア・コンビニの影響が大きくなっています。
食品スーパーの利用者は、夕食を作る世帯が主体で全世帯の4割程度にあたります。
複数の食品スーパー、ドラッグストア、コンビニ、DSを利用される中、野菜、鮮魚、精肉は食品スーパーを選択される割合が高く、ここに磨きをかけることが当社の強みにつながると考えて取り組んでいます。また、地域の中の3分の2の世帯が食品スーパーを主に活用しない世帯。と、いうことは深堀が可能かもしれません。
●四方よしの経営理念
当社の経営理念は、「お客様には満足を 社員には幸せを~地域のお客様が潤いある豊かな生活をおくって頂けるようサポートするのが仕事」です。
言い換えれば、買い手・売り手(業者様)・働き手・地域の四方よしの経営理念です。
お客様にはご満足いただける品揃えや価格、鮮度よい安心安全なものを提供し、業者様とは信頼関係を築いて共同開発を行ったり、適正仕入れをする。働き手のスタッフの皆さんには幸せが見えるよう、財務内容を公開し、透明な経営をして一人一人に光をあてて力を発揮していただいています。そして地域社会の課題は当社の課題ととらえ、地域も良くなるよう取り組んでいます。
●成功体験に学び、自ら 考えて行動するスタッフ
毎年開催する社員総会では、今期方針発表の後、優秀店舗の表彰をします。昨今は、表彰店舗の取り組みを全社で学び、グループ討論で自店(自身)の課題は何か、課題解決のため今期の行動目標を考えていくようにしています。
表彰されたある店では、高単価な干し柿がよく売れていました。その店では、ベテランレジスタッフがお客様にその干し柿の良さをさりげなく紹介していました。接客の大切さがわかる事例でした。
表彰店舗の創意工夫を全店で共有し、自分たちの店でどうするかを考え、実際に行動目標まで具体化することで、よりよい店づくりに活かしています。
●何のための経営か
同友会へは先代の父が1987年に入会しました。人材難の時代に共同求人活動を勧められての入会でした。その後、経営指針づくりに取り組み、社員総会で経営指針を発表したり、個別社員面談をするようになりました。
私は求人社員教育委員会に参加し、「若手経営者の葛藤」シリーズで初めて体験報告をしました。会社のめざすべき姿など考えがまとまっておらず、その時の先輩経営者の「そんなことでは社員さんがかわいそう」といった叱咤激励の言葉が身に染みて、「何のための経営か」「経営者の責任とは何か」「会社を将来どうしたいのか」を真剣に考えるようになりました。当時の委員さんは、はっきり言われる方も多く、とても勉強になる委員会でした。参画して良かったなと思っています。
●地域のあらゆる家庭の 食卓の問題を解決する サービス業へ
課題は様々ありますが、これからもお客様目線のサービスの深堀を続けて参ります。
今、当社のお客様の平均年連は67歳。皆さん健康なら、あと30年は生きておられます。その方々にどうこたえるかを考えると、まだまだ地域に生かされそうです。
厳しい時こそ、地域と共に生きる。店の中を走り回る子供さんがいたら「危ないよ」と注意する。お客様の子どもさんにも笑顔で声をかける、といった地域の子供たちを育てることが次世代のお客様づくりにもつながります。
100周年を迎えた企業として、地域に活かされている企業として存続発展を誓います。
【企業概要】
創業:1918年
事業内容:食品スーパーマーケット、酒類ディスカウントストア
売上高:約44円
従業員数272名(パート含)