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2019.08.27

呉市中小企業・小規模企業振興 基本条例実践シンポジウム

主催 呉市 / 共催 呉商工会議所 呉広域商工会 広島県中小企業家同友会呉支部 呉市雇用促進協議会 / 後援 中国経済産業局

呉市中小企業・小規模企業振興基本条例 前文

 呉市は、明治期における海軍呉鎮守府等の設置を契機として、多くの優秀な人材が集まり、戦前は東洋一の軍港・日本一の海軍工廠のまちとして栄え、戦後も造船・鉄鋼・機械など重工業を中心とした「ものづくりのまち」として発展した。さらに、平成に入って以降は、市域の拡大によって島しょ部等の美しい自然や歴史・文化・地域産業など特色ある多彩な地域資源も加わり、地域の経済に新たな効果を及ぼしている。こうした中で、中小企業・小規模企業は、地域経済の基盤を形成し、雇用やにぎわいの創出をもたらすなど、本市の発展及び市民生活の向上に欠かすことのできない存在として大きく貢献してきた。しかしながら、近年においては、急速な少子高齢化と人口減少、技術革新等に伴う海外との競争激化などにより、産業構造及び社会経済情勢は大きく変化し、中小企業・小規模企業を取り巻く環境は極めて厳しい状況にある。本市が将来にわたり、持続的に成長・発展し続けるためには、中小企業・小規模企業の活力向上が不可欠であり、自助努力と創意工夫あふれる中小企業・小規模企業が育ち、飛躍することができる環境を地域社会全体で連携及び協力をして整備することが重要である。中小企業・小規模企業の振興が地域社会の活性化と本市の発展につながることを明らかにし、市民にとって豊かで暮らしやすいまちを実現するため、この条例を制定する

●「中小企業の日」に条例施行

 去る7月20日、中小企業の日に呉市中小企業・小規模企業振興条例(以下、条例)が施行され、同日、条例実践シンポジウムが開催されました。(参加者108名)
 主催者の新原呉市長より「中小企業の復活なくして、呉の復活はありません。条例を制定し、中小企業の自助努力や創意工夫を支援します」との開会あいさつで始まりました。
 第一部は基調講演。植田教授(慶應義塾大学経済学部・呉市条例制定検討懇話会座長)より、「中小企業、経済団体等が積極的に関わり協働による中小企業振興策の創造をする円卓会議の活用を!」「本日は、条例実践シンポジウム。今後は、条例で変わった事例を数多く創る事が大事。行政、企業、市民団体等と新しい価値の創造を実践しましょう!」とメッセージがありました。また、条例制定において呉市は後発です。先進事例を参考に特徴を生かして取り組んでほしいと、東京都墨田区(ベンチャーを生かしたものづくり創出拠点整備)、北海道帯広市((農業を生かした連携)、愛媛県松山市(円卓会議の活用)の事例を紹介されました。
※昭和三八年に中小企業基本法が制定され、七月二〇日に公布。その公布日が今年より「中小企業の日」となりました。

●条例実践で地域経済活性化

  第二部はパネルディスカッション。難波中国経済産業局中小企業課長、小林呉商工会議所副会頭、亀山呉広域商工会会長、今村広島県中小企業家同友会理事、松川呉信用金庫地域貢献部長、小野NPO法人呉サポートくれシェンド、新原呉市長が登壇、植田教授がコーディネーターを務めました。
 登壇された皆さんが、それぞれの立場で役割や決意表明がありました。具体的に、豪雨災害からの復興・企業支援、地域で育った若者を地域に残す取り組み、孫子の代まで持続可能な地域づくり、高等学校などを巻き込んだ総合学習の実践、若者や起業家が挑戦しやすくなる規制の運用、と課題が提起されました。
 条例を理念条例に終わらせないために、行政、中小企業支援団体、事業者、金融機関、市民団体が参加し、地域活性化を図る定期的な「振興(円卓)会議」の開催が急務です。