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2019.06.28

「歴代経営者大賞が語る、いまとこれから」~第37回福山支部定時総会 記念講演

■パネラー
㈱エイトコーポレーション     代表取締役 八條 公貴 氏
㈲アドバンス                 代表取締役 藤岡 輝行 氏
㈱住まいのQUEST         代表取締役 藤井 大聖 氏
㈱内海機械                   代表取締役 内海 和浩 氏
■座長
島田正美社会保険労務士事務所 所長       島田 正美 氏

 今年の福山支部総会記念講演は、福山支部が2年に1度開催している「輝け!経営者大賞」の歴代大賞受賞者によるパネルディスカッションでした。経営者大賞とは、「同友会で学んで会社が変わった」をテーマに、各地区からノミネートされた会員が一次選考と支部例会の発表を経て、大賞・優秀賞を決める企画です。報告の概要を紹介します。

●座長 島田正美社会保険労務士事務所 所長 島田正美氏同友会で学んだことを教えてください。  

八條:入会3カ月後に経営指針の成文化に挑戦しました。指針を作る過程で社員や経営に対する考え変わり、理想の会社を実現するためには、いまの自分の考えではだめだ、と気づきました。経営指針書が出来たことで、想定外のことにも冷静に対応できるようになりました。自社では新卒でも中途でも採用の際には家庭訪問をし、家族にも指針書も数字もオープンにしています。
藤岡:私は会社設立のために、すべてを担保に入れ、3億の借入をしました。しかし資金ショートを起こし、給料が払えなくなりました。その頃、オーザックの岡崎社長から、社員を大切にしないと会社は伸びないと聞き、非常に心に響きました。私は、社員を幸せにする会社にしようと経営理念を作り、そこからすべてが変わっていきました。
藤井:私は以前、別の会社の取締役として同友会に入会していました。次第に自分も社長になりたいと思うようになり、独立しました。ところがいざ経営理念を作ろうと思っても、何から始めればいいか分かりません。勉強会に参加して、いい経営理念が出来た!と意気込んでいると、八條さんが「経営指針を作って会社が変わった」と支部例会で報告するのです。私は羨ましくて、翌日に八條さんの会社まで行き、作り方を教えてもらいました。
内海:私も自分なりの指針書を作っていましたが、丸山先生のセミナーを受けて、指針書がレベルアップしました。高い目標を設定することで努力の仕方も変わりました。これまで外注に出していた仕事を社内生産にシフトすると、利益率がかなり上昇しました。工場もショールーム化し、現在は月に一五組ほど企業見学を受け入れています。

●島田:どのような採用と社員教育を行っていますか?

内海:自社の強みである「超短納期」を実現するには、社員の力が必要不可欠です。当社は20年間、大学の新卒採用を続けていますが、多能工の社員を育てようと思うと、10年はかかります。しかし、自社で一人前に育つと、どこの会社でも通用できると思っています。社員教育にはお金をかけ、終身雇用で働いてもらいたいと考えています。
藤岡:「ふくやまサポートステーション」を通じ、ひきこもりだった三名を採用しました。そのうちの一人は前社を一年で退社し、引きこもりの生活になりました。その後、自社に職場体験に来た際、彼が前向きな考えができる人だったため、採用を決めました。

●島田:みなさん、経営者大賞受賞時から利益も社員数も増えています。

八條:私は大賞がきっかけではなく、経営指針書を毎年ブラッシュアップした結果だと考えています。経営指針書を作って3年目の年に、11%の経常利益率を目標にしたところ、11カ月目で17%となりました。社員数や材料費などの条件は変わらず、です。指針書をもとに社員が自ら考え、自主的に行動できるようになったことが要因だと思っています。
藤井:独立した頃は、月額20万円ほどだった社員の給料が、現在は年収で約360万から420万円に上げることができました。また、2年前の障全交(福山)を機に、間接的ですが、障害を持った方に仕事をしてもらっています。自社の管理物件の清掃をしてもらうと、私たち以上に丁寧な仕上がりで、大家さんにもとても喜んでもらっています。
藤岡:よく「経営者大賞を授賞したら金利が下がる」と冗談で言っていましたが、当時と比べ、現在は4分の1の金利になりました。私は経営数字の中でも利益率を重視しています。数字にルーズな会社は、絶対うまく伸びないと思います。従業員も経営者と同じ感覚で経費節減の意識を持てるかどうかを大切にし、何のための利益で、どう利益を上げていくかを一緒に考えます。

●島田:これからの展望を教えてください。

八條:自社はどうしても公共工事によって売上が左右されます。今後は外部環境に左右されにくい売上構造をめざしたいと考えています。
藤岡:経営理念をはじめ、会社には考え方がなければ社風はできないと思っています。 経営者と社員の考え方をもっと共有し、共感できる関係を作っていきたいです。
藤井:まずは半径3㎞内では地域№1の不動産会社をめざしています。そのために社員10人、1人当たり1000万円の売上を目標にしています。後々は各部署を独立させ、グループ会社にしたいと考えています。
内海:社員が誇れる会社、地域に認められる会社にしたいと考えています。そのためにも様々なコンテストに応募したり、マスコミに取り上げてもらえるような仕掛けづくりをしたりしています。

座長まとめ:島田氏  みなさんに共通しているのは1つ目が経営の課題や悩みをクリアするために、同友会を貪欲に活用しているこです。2つ目が経営指針と社員教育です。経営指針を成文化すると同時に、社員教育にも時間を惜しんでいません。3つ目が利益を追求し、数字を大切にしていることです。利益を上げることで社員に還元しています。
 ぜひ皆さんの会社でも学んだことを即実践し、この地域できらりと光る企業になっていただきたいと思います。