活動レポート
  • ホーム
  • >活動
  • >「365日笑って暮らせる会社をめざして」~福山支部9月支部例会
2018.12.03

「365日笑って暮らせる会社をめざして」~福山支部9月支部例会

報告者:大阪同友会  川田 昭宏 氏 (川田紙工㈱ 代表取締役)

●会社概要

 川田紙工㈱は昭和23年2月に祖父が創業し、祖父が35年、父が30年、私が6年代表を務める創業71年の会社です。私は3代目社長になります。平成30年の時点での社員数は25名になります。業務内容としては、紙器・紙製品の企画・製造・販売、パッケージ、POP、その他各種印刷物を取り扱っています。

●大量の履歴書

 経歴は、22歳でアパレル会社に入社、2年間勤務した後に大手印刷会社に入社し、5年間勤務。合わせて7年間のサラリーマン時代を経て川田紙工㈱に入社しました。当時は年間10センチほどの履歴書の数の人が辞めるという状況で、人がやめればハローワークで求人するといった作業員の補充として行っていました。

●社員の本音

 ある時社員との会話の中で私が「なんで人がやめていくんや?」と問いかけてみたところ、社員に「会社が向かう先がわからない、将来を考えたとき不安しかない、いずれ僕もやめますよ」と言われました。この出来事をきっかけに経営指針セミナーを受講し、1年目は1人で作成、2年目からは社員全員を巻き込んで経営指針への取り組みをしました。

●社員の変化

 人がやめない会社作りのおかげか、やめると言っていた社員は現在も勤務しています。ある時食事の席にてその社員がたまたま隣の席にいたので冗談交じりに私が「あの時はやめるゆうとったが今はどうなんや?」と聞いてみたところ、社員に「やめないっすよ、だって今楽しいですもん」と言われとても嬉しかったことを覚えています。当時と何が変わったのか社員に聞いてみると、「当時はただただ作業で会社に行くのが嫌だった、今は目的がはっきりしていて自由に意見を言える環境になった」と言ってもらえました。

●新卒採用

 同友会の先輩に「新卒が半分を超えたら会社変わるで」と言われ、同友会の求人委員会に入り、HP作成、就業規則見直し、合説に参加などしました。いつでも採用できる環境にすることが大切だと思います。

●今後の課題

 今後の課題について、一番は幹部、中堅の社員教育。憧れられる先輩に成長させるために全体会議(グループ討論)や一泊研修を行っています。テーマを考えながら仕事をしてもらうために毎回テーマを決めて討論しています。あの先輩はこう言った、でもあの先輩はこう言っている、といったズレをなくし、皆が同じ目的にむかえるようにしたいと思っています。食事会では皆が話しやすいように中華の丸テーブルで話し合いをしています。

●若い社員の教育

 若い社員に対して、合説に連れて行って成長を実感させ、成功体験をさせて働きがいを実感させ、社員を喜ばせることを一番に考えています。社員を喜ばせることによって社員自身もお客さんを喜ばせるようになってほしいと思っています。

●社員の絵

 社員の一人一人の5年後の理想像が描かれている大きな樹の絵を女性社員が描いてくれました。会社の温かさを感じることのできる自慢の作品です。

●変わったところ

 最後に、一番変わったところは、昔は、仕事中に社員に「ちょっといいですか?」と言われるとほとんど「会社を辞める」といった話でしたが 今は、「ちょっといいですか?」と言われてもほとんどが、仕事についての話を相談する内容に変わってきたため声を掛けられても「ドキッ」とすることがなくなったという社内の変化です。