中同協五〇周年に向けてキックオフ ~同友会らしい企業づくりの輪を広げ、日本と地域の未来を拓こう~
■キックオフ総会
去る7月6日~7日、仙台市で中同協の第50回定時総会が開催され、全国から1302名、広島同友会からは48名が参加しました。
初日の全体会では、鍋島・宮城同友会代表理事が「震災から七年余、地域間格差や事業承継問題など、課題は加速している。この総会を絶好のチャンスとして準備を進めることで、会の課題も明らかになった。今総会を1122名の過去最高会勢で迎えることができた」と挨拶。広浜・中同協会長は「今総会は中同協50周年へのキックオフという位置づけ。50年間の到達点を確認するとともに、会の立ち位置が大きく変化していることを認識して、各地に持ち帰って運動化してほしい」と呼びかけました。
■来賓からの期待の声
来賓としてお越しいただいた中小企業庁長官代理・木村事業環境部長は「同友会には、中小企業問題を語る中核企業として感謝し敬意を表したい。経済は改善しているが、中小企業はさらに課題に直面している。様々な施策を行っているが、同友会の意見も大いに寄せてもらい、協力して進めていきたい」、郡・仙台市長は「震災から七年余、復興は進んでいるがまだまだな点も多い。全国の皆さんから温かい支援に感謝している。地域経済を支える中小企業に期待しており、二七年に活性化条例を作って、運用している。今後も盛り上げて連携したい」と期待の声が寄せられました。
■方針の7つの課題
総会では、中山・中同協幹事長が活動総括と方針を提案しました。方針では、①5万名会員の実現、②経営指針の作成と見直し・実践。BCPへの取り組み、③労使見解に基づく魅力ある企業づくりと地域連携による人材育成、④後継者育成と事業承継、⑤エネルギーシフトの学習と実践、⑥憲章・条例の推進と「日本経済ビジョン(討議資料)」の学習、⑦役員・事務局の世代交代と、歴史・理念の継承、の7点の特徴があることを説明しました。特に5万名会員については、「全組織が5%の純増で達成できる数字」と強調し、「企業づくりと地域づくりを一体のものにしよう」と呼びかけました。その後、16の分科会に分かれて、議案を深めました。
■地元の味と熱気の懇親会
懇親会は、姿も凛々しい伊達政宗らの勝鬨から始まり、村井・宮城県知事から「自分も元会員。同友会で大いに学んだ。学びを活かし、地域づくりに取り組んでいく」との挨拶があり、乾杯に移りました。宮城県の地酒多数が揃えられたほか、地元の味が盛り込まれたメニューでした。いささか会場が狭く窮屈でしたが、その分、熱気あふれる懇親会になりました。
■三つの目的は会員のものだけではない
二日目の全体会では、提起された議案を一括採択しました。役員を代表して広浜会長は「六〇年前に、何もない状態から今日への道筋を開いた先人に感謝をしたい」と前置きし、「理念の大きさを実感しよう。例えば、『三つの目的』は自分たちが追求してきたものだが、実はすべての経営者に対してのものではないか。会の立ち位置を高めることは、社会を変えていく原動力だ」と呼びかけました。
■運動の歴史と理念を深める
その後、中同協顧問である田山・大林・国吉三氏による鼎談が行われ、同友会運動の歴史と理念を深めました。印象に残ったのは、大林・神奈川大学名誉教授の発言。「同友会の発足は、一千万(中政連)対七〇名(同友会)という、極めて挑戦的なものだった」「七〇年代以降の企業づくりの取り組みは、新しい中小企業運動の始まりだといえる」という、歴史的な評価でした。
氏の発言や国吉氏のまとめにもあるように、会が本当の意味での多数派を形成していく先見性を持つことへの確信とともに、実現の責務を強く感じた全国総会でした。