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2018.07.31

企業変革支援プログラムで会社が激変 ~3年で2億円の累積債務を解消!~

㈱ロアール 代表取締役  園尾 英樹 氏(福山支部)

■引き継いだ膨大な借金

 ロアールは1968年に氏の父上が創業しました。園尾氏は同社に入社しますが、兄上が同社を後継する準備を始めたことから、独立開業し、それなりに順調に推移していました。
 ところが4年前、兄上の会社が行き詰まり、連帯保証人に名を連ねていた氏は、合併を余儀なくされます。なんと累積の負債は二億円。「目の前が真っ暗になった」と氏は語ります。

■温泉宿で書き上げた企業変革支援プログラム

 その時に出会ったのが、企業変革支援プログラム。「状況打開のカギはこれだ!と思った」と語ります。「3日間休むぞ!」「電話はしてくる●な!」と宣言して、温泉旅館に泊まり込み、ステップ2の諸表を鉛筆書きで埋め尽くしました。ありたい姿と現状、そのギャップ、取り組むべき項目を整理したのです。「あの取り組みをしたおかげで、我社が進むべき道筋や追及すべき理想の姿がはっきりした」と氏は語ります。

■改革の道筋を社員と共有

 プログラムにそって、取り組みの計画を年度ごとに落とし込み、それを全社員の前で発表しました。初めて作った中期経営計画でした。全社員で同友会式のグループ討論を行い、社員各人が自分の目標や取り組み課題を明確にしていきました。
 すると作業手順の改善や技術改善がどんどん進んでいきました。社員数は変わらないのに、売り上げが伸びていきます。
 この取り組みで、全店が一気に黒字化しました。「それまで、各人の主体性を引き出す取り組みが弱かったのを実感しました。みんな、やればできるんです」。

■企業革新は就業規則の整備から

 新たな借金ができない状況ですから、当面の打開策は売り上げを増やすこと。幸い現金商売ですから、人が集まり、効率を上げれば、売り上げは増加し、利益が出てきます。
 そこで、真っ先に取り組んだ企業革新が就業規則の改定でした。「この業界は遅れている。賃金は普通のサラリーマンに遠く及ばない。せめて、働く環境だけでも整えないと、人が来ない、定着しない」。
 この作戦と会社の雰囲気の改善が当たり、同業者の中では人が集まりやすい環境になりました。売上は向上し、キャッシュフローの中で積極的に店舗の改装や統合移転などを進め、さらに店舗のイメージ向上と効率化に努めました。

■四五周年を機に東京進出~アリオ倉敷にも出店

 45周年を迎えた昨年、取り組み3年にして累積債務は解消。借り入れが可能になり、大きな投資ができるようになりました。東京のサロンWIN GROWLYを傘下に収め、表参道・渋谷・三田などの最先端地で経験を積んだスタッフを統合、芝に開店しました。「今後は、さらに技術交流を進め、感性を磨いていきたい」と氏は語ります。
 この6月には、アリオ倉敷(三井アウトレットパーク)に水島店・倉敷店を統合する形で50坪の新店舗を開店したばかり。「本店のあるイトーヨーカ堂での実績が評価されたようで、お声がけをいただきました」。

■2冊目のステップ2を手に

 今年、全社員のベースアップを行いました。「少しでもサラリーマンの水準に近づけないと、今後の業界を担う人がいなくなる」という危機感からです。
 先日、福山事務所を訪れた氏の目的は、二冊目のステップ2の購入。「毎年鉛筆で書いては消し、を繰り返していたらボロボロになったので」と笑います。

㈱ロアール
一九七二年設立、資本金一千万円、社員数四四名、トータルファッションサービス業(理美容業)福山・倉敷・東京に五店舗を展開
URL:http://www.loire.jp/