「地域経済の強み・弱みをどう経営に活かすか」廿日市大竹地区会
3月16日(金)、廿日市大竹地区会は広島文教女子大学の松原教授に「地域経済の強み・弱みをどう経営に活かすか」というテーマで報告頂きました。テーマの中でも、「宮島」の資源に絞った報告でした。
1.宮島の歴史
厳島神社の鎮座については、800年代後半には神社があったのではとされており、島の名は「伊都岐嶋」が由来で、その名は鳥居の裏側に書かれています。806年に空海が弥山を開山。1160 年に平清盛が参詣。江戸時代には「日本三景」に選ばれます。1996 年には「原爆ドーム」と共に「厳島神社」が世界文化遺産に登録されました。
2.増える観光客
そんな歴史のある宮島ですが、厳島神社が世界遺産の登録された20年前は年間観光客数300万人でした。それが今では450万人に上ります。
3.減少する観光消費額
20年前、1人当たりの観光消費額は5300円でしたが、現在は3700円に減少しています。その一方で広島市は11000円から16000円に増えています。その差は宿泊数の差です。しかし島内に新たに施設を建てようにも、96%が国有地であるため規制も厳しく施設や商店は増えません。従業員の確保も困難です。
4.島外依存が進む宮島経済
島内は20年で3割も人口が減っています。原因は便利の悪さ(松代観光船は8時台、JR船は600万を市が負担し10時台が最終)です。交通手段、医療、住居に課題があります。今では表参道商店街の3割以上は島外在住の経営者です。
5.宮島の財政赤字になやむ廿日市市
宮島を経営するのに3 億の不足が生じていると2017年6月の議会で答弁されています。人口減少による住民税の減少、固定資産税は増えず、観光客によるゴミの処理費用負担も増えているので市では「観光地としての質的向上を図るため財源確保策」として入島税を検討しましたが断念しています。
「地域経済の特徴について、自社でどう活用できますか?」というテーマで討論しました。「2020年には観光客が600 万人は来る。しかし宮島にお金を落とさない。そこに逆にチャンスがあるのでは!そこを看板に使ってみるのもよいのでは?」といった意見がありました。宮島の景況は全て潤っていると思っていましたが、現実のギャップに大変驚き色々考えさせられる例会でした。