共同求人活動でわが社が変わった 新規学卒者の採用は社内改革につながる ㈱向井製作所 代表取締役社長 向井雅文 氏(広島安佐支部)
10月号と11月号の「共同求人活動でわが社が変わった」という特集をしています。
同友会の共同求人活動の目的は「会社を良くするための取り組み」です。1社ではできない活動を共同求人という枠組みで「地元の企業へ就職してもらおう」、「同友会理念に沿って求人活動をしていこう」という思いで取り組んできました。
参加企業の「新卒採用で会社が変わった」という声を届け、共同求人の輪を広げたいと思います。
■会社概要
向井製作所は創業昭和31年の会社です。ミクロン単位の精度で自動車等の精密部品製造と工作機械のセルフ研磨を手掛けています。
■求人のきっかけ
向井氏が入社したのが13年前。当時、社員数は20名前後。40代から50代の社員が中心で、自分より年上の社員さんが多く、中途採用が採用活動の中心でした。
氏は将来の会社像を見据え、組織づくりや経営理念づくりに取り組む一環として、自分と一緒に働いてくれる人を求め求人活動を九年前からはじめました。
求人活動は当時、広島中支部求人社員教育委員長であった平岡工業の平岡氏よりアドバイスを頂き、チャレンジしました。
■はじめての新卒採用
9年前、はじめて2名の専門学校卒の学生を採用。学校求人で推薦での採用でした。当時は同友会の共同求人活動に参加していなかったので、合同入社式だけ参加し、その後の新入社員研修に出していませんでした。
今になって思えば、仕事の教育も然りですが、社会人のマナーや人生の目標を考える同友会の新入社員研修に行かせていればと思いました。
■同友会で共同求人活動をはじめる
同友会の共同求人活動に参加をはじめたのは4年前からになります。
きっかけは「会社を良くするための取り組み」として「地元企業へ就職してもらおう」、「同友会理念に沿って求人活動をしていこう」という思いに共感したことです。
2年前に2名の専門学校生の採用ができました。
当社は新卒と中途採用の両方を行っていますが、中途採用は様々な年齢、経験の方がいらっしゃるので、社内の年齢構成などを考えると選考が難しいと感じます。
■当社の社員教育
当社の新入社員はまず同友会の新入社員研修に参加します。そこで他社の社員と揉まれ、自ら考える研修を受けることにより、人生設計や目標を作ります。
年2回の面談も新入社員研修で作った目標シートを元に行います。そのことでブレのない指導や本人が目標に気づくことができています。研修のレポートも目標確認に役に立っています。
業務においては現場でのOJTでリピート品の作成で技術を覚え、図面や作業手順書の理解などレベルアップを図っています。
同友会で学んだ委員会活動を自社で活用するため、3つの委員会を立ち上げました。①レクリエーション、②新製品開発、③安全教育です。社員による立候補で委員を構成し、ルール化し、裁量権を与えての活動です。
②は2年目の社員が委員長で、率先して活動しています。
社員のやりがいが持てる仕組みづくりを心掛けています。
今では社員が学生を面談し、一緒に働く仲間を社員1人ひとりが真剣に考えてくれています。
■共同求人活動への期待
当社は団塊の世代が退職していくなか、厳しい時代ですが、1名は採用していきたいと思っています。
同友会の共同求人活動を続けて行くことで、地元の学生に「地域で良い会社づくりをしている会社がここにあるんだ」ということを伝えたいです。そのためには同友会活動をしっかり実践することで、長期的視点に立ち、魅力的な会社にしていくとだ感じています。
9月に完成した新社屋